サツマイモをエネルギー源にすることについて考えてみた話です
吸収は木で出来るが
温暖化対策としては、個人的には木を植える方法を推しています。
やる事が単純明快で、その結果としての未来も想像可能で、技術的にも確立されているというのが、大きな理由です。
しかし、確かに木を植えることにより、CO2を吸収できるのは確かなんですが、さりとて、排出する方で何もせずにCO2が増え続ければ、どこかの時点でまずい事になるのは明らかなので、対策を模索する事が必要となります。
で排出側の方法として、面白いんじゃないかと思うものを見付けました。
サツマイモを使うというものです。
内容はごくシンプルで、サツマイモを作ってエネルギー源として使う、というだけです。
エネルギー源としてのサツマイモ
サツマイモを、エネルギー源とする方法には、いくつかあります。
先ず最も分かり易いのが、乾燥して燃やすというものです。
同じ植物の木を燃やして燃料にするのと同じ事です。
次に、発酵させて利用するというのが考えられます。
サツマイモといえば、芋焼酎が思い浮かぶ人もいるでしょう。
焼酎というのは、言い換えれば、エタノールの水溶液です。
エタノールは、燃やせば発電も出来ますし、自動車などの内燃機関の燃料にもなります。
また、さらに発酵させることにより、メタンガスが生成されます。
これも、燃やすことにより発電が出来ますし、煮炊きに使うことももちろん可能です。
メタンガスによる発電に関しては、宮崎県の霧島酒造が実際に、焼酎製造時に複成される焼酎粕と芋くずをメタン発酵することにより、発電が出来ることを実証しています。
このように、サツマイモは、固体、液体、気体と多様な形態のエネルギー源として利用可能です。
サツマイモの入手可能性
問題は、必要な量のサツマイモを生産出来るのかという点ですが、このサツマイモ利用を精力的に研究されている、近畿大学の鈴木高広教授が試算されています。
それによると、普通我々がサツマイモ栽培というと思い浮ぶ、畑での平面的な栽培ではなく、ポリ袋に必要なものを入れて棚に何段もつるす方法で立体的に栽培をします。
引用元:芋エネルギーは日本を救う!鈴木高広教授の近未来研究所
こうして、単位面積当たりの収量を上げることにより、全国の休耕地、遊休地を利用することにより、計算上は、十分に必要量を確保できるという事です。
従って、現状の農作物の生産には全く影響がない事になります。
それどころか、休耕地を使って生産する訳ですから、農業の振興にもなるはずです。
農業が、食料生産だけではなく、エネルギー産業にもなる訳です。
サツマイモ利用の利点
このように様々なエネルギー問題の解決策として利用可能なサツマイモですが、その他にも利点が多く上げられます。
・サツマイモが空気中から固定した炭素がCO2に戻るだけなので、CO2が増えることはない。
・北海道から沖縄まで、日本全国で栽培できる。
・江戸時代の飢饉時に多くの命を救った事からも分かる様に、比較的気候異常に強い。
もしもの時には、食料としても利用可能。
・純国産エネルギーである。
・必要な技術が比較的ローテクであり、すでに存在している。
・エネルギー供給に関して、比較的狭い地域、小規模で完結できる。
もし試してみて、何か不具合が有っても、やめることは比較的簡単だと思われる(少なくとも核廃棄物のような問題はないですよね)ので、どこかの地域で実証実験をやってみるというのはありだと思うのですが。
実験をやる時には、某自動車会社の未来都市に対抗して「イーモン・シティ」というのはどうでしょうか。
ではでは