現在の日本人を形成したものについて考えた話です
驚きの日本製品
よくTVの番組で、日本製品を、海外の人に見せたり使わせたりして、その驚く反応を見るといったものがあります。
よく見るのが、温水自動洗浄便座でしょうか。
あれなどは、日本人の私でも、初めて見た時には、トイレにここまでするかと思ったものですが。
最近では、ガチャや食品サンプルなども、その作りこみと種類の多さで驚かれ、且つ人気になっているようです。
また、面白いところでは、お菓子類の種類の多さも驚かれているようです。
昔からあった
こういった現象は、今に始まった事では無いようです。
エドワード・モースという、アメリカの動物学者で、明治時代にお雇い教授として東京大学で教鞭を取った人物がいました。
歴史や考古学の好きな人には、大森貝塚を発見した人物という方が分かり易いでしょうか。
その、モースが、日本の民具に興味を持ち、収集していたという番組を見ました。
民具に関しては、単なる生活道具にも関わらず、細部に渡る作りこみがあることや、様々な種類、意匠が有る事に興味を持ったようです。
また、動物学者という職業柄か、動植物を意匠に取り入れているのも興味深かったようです。
明治時代から、日本人の作るものには、日用品でも、海外の人を驚かすような特徴が有ったのです。
と言っても、これらをもって、日本人が優れているとかそういった事を、言いたいわけでは有りません。
単に、日本人が、そういったものを良しとしてきた人々だと言っているだけです。
どうして日本人はそうなのでしょうか。
日本に住んでいるから
そもそも、アフリカを発した人類の中でユーラシア大陸の東端に達した人々の一部が、様々な方角や、時期に日本列島にやって来て、今の日本人がいるわけです。
日本人を形作った様々な人々が、全て現在の日本人のような性質を持った人間だったとは思われません。
その後の時間の中で、現在のような日本人が形作られてきたはずです。
元は同じ出自なのに、違いが生じたのだとすれば、住み着いた日本という場所に要因が有るということになりそうです。
豊かな自然
動植物の意匠が多いというのは、豊かな自然から来ているのではないかと思います。
以前の記事で、農耕が本格的に行われる以前の縄文時代から定住が行われていたのは、日本列島の自然の生産能力が高かったことに拠ると考えました。
日本列島においては、自然は敵対して征服していくものでは無く、共生し恵みを与えてくれるものだったのです。
だからこそ、全てのものには神が宿るのです。
農耕の導入と島国
その豊かな自然に加えて、農耕が導入された結果、投入された人員以上の人間を養える食料の生産がされるようになりました。
その結果、生命維持に特に必要ではない事を行うことに拠って、生活をする人々が増えていくことになりました。
多くの人間が、同じような事を行う事になります。
彼らの行う事の内容が評価され、その評価によって食料その他を手に入れる事になります。
当然、生活が懸かっているので、同種の事柄の間での競争は激しくなります。
さらに、日本が島国であったことが、条件を厳しくします。
大陸とは違って、簡単に出ていくことは出来ない訳ですから。
このような条件の下で、全てのものに対する作りこみや、種類の多さ、こった意匠などの、日本のお家芸ともいえる文化が生まれて来たのだと思います。
常に、過剰なまでの品質の、同じようでチョット違うものが評価されることに拠り、種類が多くなるのです。
自然の生産力の豊かな島国という条件が、日本人を日本人たらしめているという事でしょうか。
ではでは