続・戦国時代について考えてみた話(後編)です
前編から
前編で、私の思い浮かべる戦国時代が、100年以上続いた戦国時代の、最終盤の30年程の間の出来事だったという話をしました。
その事から、始まった頃には天候不順の影響を受けていた経済が、戦国時代の終盤に、回復して来ていたと考えれば、色々なことが、説明出来そうだと考えました。
シュペーラー極小期の推移
そこで改めて、シュペーラー極小期間中の状況を調べてみました。
次の、炭素同位体の量から太陽の活動量を推定したグラフをご覧ください。
チョット見辛いですが、1400年ごろから低下を始め、1500年前後の幅を持ったボトムを経て、1600年ごろのピークに向かって上昇をしているのが見て取れます。
つまり、1500年代の初め頃から1600年に向けて、気候が回復する過程に有った可能性は高いという事です。
この事を裏付るように、土一揆が1500年代には見られなくなっていきます。
やはり、戦国時代の終盤には、経済は回復して来ていたと考えていいでしょう。
戦国時代は三期から成る
これまでの話を基に考えると、戦国時代は、初期、中期、後期の三期から成ると、考えることが出来そうです。
先ず、戦国時代初期の、天候不順による農業不振からくる経済システムの崩壊と、それに伴う統治システムの混乱の中で、荘園公領制などの旧来の秩序の破壊と共に、下剋上などの考えが台頭してしてきたと考えられます。
続いて、1500年頃から徐々に始まったと考えられる天候の回復により、農業そして経済システムが回復する中で、各地域での覇権の確立が行われたのが、中期という事になります。
その社会的状況を背景にしつつ、各地域の覇者が、全国的な統治システムの再構築を目指して争ったのが、戦国時代の後期という事になります。
戦国時代とは
結局、戦国時代は、1400年代の終わりごろから1500年前後にかけて、天候不順による経済の崩壊により破壊された全国規模の統治システムを、1500年代の天候回復による経済の復調を背景に、再構築するものだったと言う事が出来そうです。
全国的な権力を握るための行動そのものは、それまでの歴史を見ても、特に不思議でもなんでも無いのですが、その背景となる社会状況が、日本の他の時代には類を見ない、秩序の無いもので有った点が、戦国時代の特異な点だったという事になります。
私は、その後期だけを見て、全国的な混乱に腑が落ちず、戦国時代に対して奇妙な感覚を抱いていたという事のようです。
結局、後期は、各地域の覇者が全国の覇権を争う、いわばオールスターバトルロイヤルのようなものな訳で、面白くない訳が無いですよね。
ではでは