生命と海の関係について考えた話です。
これまでの流れ
前々回まで3回に渡って生命発生の場所について考えてきました。
先ず、約3.5%の塩分濃度である海に住む魚の体液のそれが、0.9%前後と、陸上の動物と同程度なことから、0.9%程度の塩分濃度の環境が関係しているのではと考えました。
ところがよく考えると、体液は細胞を取り巻くものであり、細胞内部の塩分濃度は、注目している0.9%より低いことが分かっています。
そのことから、細胞内部の液体の組成に近い環境が関係しているのではないかということになりました。
そうなると、0.9%の塩分濃度とは何なのかということが気になります。
これについては、海の中にもいる単細胞生物が、0.9%の外部環境を必要としないことから、多細胞生物への進化にカギがあると考えました。
環境が0.9%の塩分濃度の時に、単細胞生物から多細胞生物への進化が起こり、その時の環境を体液として保持しているのではないというわけです。
海で起こったと考えても
といった感じで考えを進めてきたのですが、ここまでの話は、実は海で起こったと考えても問題ないんじゃないかと思い始めました。
前にも書いたように、海は始め地球が冷えた時に雨となって降り注いだ水分によって作られ多と考えられています。
その水に、地面から様々な成分が溶け込むことにより、現在のような海水が出来上がりました。
ということは、その過程で細胞内と同じような環境になる瞬間もあったはずです。
その時に単細胞の生命が発生したのです。
その後、海水の組成の変化(塩分濃度の上昇)に対応するために、ナトリウムポンプに代表される、細胞内の環境を維持する機能を進化させます。
そして、塩分濃度0.9%になった時に、多細胞生物への進化が起きました。
その後、多細胞生物はその時の環境を体液という形で保持し、単細胞生物はその時々の海水に適応して来たのです。
始まりについては疑問
ただし、生命発生の部分は若干の疑問も在ります。
海水の塩分濃度は常に濃くなり続けていたはずです。
その中で、ある濃度の時に生命が発生し、続いて変化していく濃度に対応する形で、細胞内の環境を維持する機能を進化させたということになります。
これは、少しばかり都合が良すぎるように思えます。
それよりも、生命発生は細胞内環境に似た安定した条件の中で起き、その後に海に進出する過程で維持する機能を進化させたとするほうが、納得出来ます。
もしそうなら、そういった環境維持の機能が未発達、または持たない単細胞生物がどこかにいるかもしれません。
そしてその生物が発見された場所が、生命発生時の環境なのかもしれません。
いろいろ書いて来ましたが、結局まだ良くわからないという結論でした。
ではでは