生命の生まれた場所について考えた話続々編です。
ここまでの話
ここまで2回の記事で生命の生まれた場所について考えてきました。
先ず、陸上の動物と海の魚の体液の塩分濃度がいずれも0.9%前後であることから、0.9%前後の塩分濃度の環境下で発生したのではと考えました。
ところが、体液はあくまで細胞を取り巻く液体であり、細胞内の塩分濃度はより低いものであることから、その濃度の環境下で発生が起こったというのが今のところの結論となりました。
では0.9%はなんなのか
このように生命発生が、細胞内の示す環境下で生じたということであるのならば、塩分濃度0.9%にはどんな意味があるのでしょうか。
一つ明らかなのは、0.9%というのが、現在の陸上の動物や海中の魚などの体を造り上げている細胞が、生きていくための外部環境だということです。
そのために、体液の塩分濃度はかなり厳密にこの値を守るように調節されています。
とは言っても、一方で海中にも単細胞生物が存在しています。
単細胞生物にとっては、その外部環境は海そのものです。
つまり、すべての生き物にとって0.9%が必要ではないのです。
単細胞か多細胞か
どうやら、カギは単細胞か多細胞なのかという点にありそうです。
0.9%という環境下で、多細胞生物への進化が起こったと考えればどうでしょう。
多数の細胞からなる構造を守るために、全体を覆う構造が出来、その内部はその当時の細胞が生きていた、0.9%の環境が保たれたはずです。
その後に、外部環境が変化したときに、細胞が必要とする0.9%の環境を維持するための機能が進化したと考えられます。
それが連綿と現在まで続いた結果、陸上の動物も海中の魚も、体液が0.9%前後になっているというわけです。
それに対して、単細胞生物は、その時々の外部環境に対応する形で進化していき、現在の海中でも生存しているのと館得ることができます。
多細胞生物への進化
まとめると、体液の0.9%は生命発生の条件ではなく、多細胞生物への進化が起こった時の環境を示しているということになります。
塩分濃度0.9%の環境下で、単細胞生物と多細胞生物の進化の道筋が分岐したと考えられます。
もっとも、0.9%が多細胞生物への進化に必要だったのか否かというのは、残念ながら今のところ分からないのですが。
ではでは