修正ニュートン力学に関する話(前編)です。
ダークマター
以前に、ダークマターに関して、そんなものは実は存在しないのではないかと言う立場から、記事を書きました。
その中で、ダークマターの存在を考える代わりに、元になる理論の方を修正すべきではないかと考えました。
そして修正のポイントとして、次のような点をあげました。
「引力は、距離の2乗に反比例すると考えてきたものを、距離が非日常的なほどに大きくなると、異なった影響を生じると考える」
そして、その具体的な内容そのものは、いずれ現れるだろう天才に丸投げしたのでした。
修正ニュートン力学
しかし、修正ニュートン力学(以下MOND)というものが存在します。
MONDでは、重力の強さは距離と共に変化し、恒星間ほど距離が大きくなった場合には、距離の1乗の反比例に漸近すると考えます。
この考えに従うと、銀河の回転は暗黒物質の存在に頼ることなく自然に説明できるようになると主張されています。
これは、まさに上記の修正のポイントとしてあげたそのものズバリじゃないですか。
ただし、この理論は、1983年に最初に唱えられたようで、結構歴史が有るものとなっています。
否定する観測結果があったが
実は、上記の二つの記事を書く時にも、この理論の事は知っていたのですが、天才に丸投げするような内容になったのには訳が有ります。
それは、逆に、MONDでは説明のつかない銀河が発見されていたからです。
MONDでは説明がつかなくても、ダークマターであれば、説明出来るようにダークマターの分布を考えればいいわけですから、MONDには分が悪い事になります。
となると、さらに別の理論が必要だと、思った訳です。(思っただけで、考えついた訳ではもちろんないですが。)
しかし、どうやら、この発見は間違いだったことが、最初に報告したチーム自体から後に報告されたようです。
さらに、MONDを使って、銀河が形成出来ることが、シミュレーションで確認されたりもしているようです。
もしかすると、天才は必要なく、MONDが解答なのかもしれません。
と言うか、MONDを考えた人が、天才な訳ですが。(イスラエルの物理学者モルデハイ・ミルグロムという人だそうです)
しかしながら、確かにMONDは、重力の強さが距離の1乗の反比例に漸近すると、観測結果を説明出来るということは示していますが、どうしてそうなるのかと言う事については、何も説明していません。
そのあたりについて、後編で無責任な妄想を膨らませてみたいと思います。
ではでは