ビッグバンについて考えた話 その1です。
もう一つの都合のいい話
以前の記事で、近年の宇宙論のトピックの一つであるダークマターについて考えています。
観測結果が、現状の標準的な宇宙論と整合性が無いのを説明するために、見ることが出来ず、他の方法でも観測することが出来ず、重力のみ持っている、なんていうものを考えるのは、都合よすぎませんかねえ、という話でした。
実は、宇宙論がらみでは、もう一つ都合よすぎるんじゃないかと考えているものが有ります。
それは、インフレーション理論です。
ビックバンの証拠
一般的な宇宙論では、現在の宇宙は、約137億年前に1点から爆発的に始まったと考えられています。
いわゆる、ビックバン理論です。
この荒唐無稽とも思える理論(なにも無いただの点から、今現在の無数の星が存在する宇宙が出来たなんていうのは、控え目に言っても荒唐無稽ですよね。)の証拠と考えられているのが、宇宙マイクロ放射です。
宇宙マイクロ放射というのは、読んで字のごとく、特定の波長のマイクロ波が、宇宙あらゆる方向からやって来る事を指します。
近年になって、人工衛星により精密な測定が行われています。
どうしてこれがビックバンの証拠になるのかは、ここで説明できるほどにはよく分かっていないのですが、どうやら、これがビックバン後約38万年後の宇宙の姿という事のようです。
因みに、これを発見した人は、このことによりノーベル賞を受賞しています。
証拠だが問題も
画像には色のムラが有りますが、10万分の1単位の違いを表したもので、実質的に均一と言っていいレベルになります。
この全体に均一というのが問題なのだそうです。
一点から始まったものが、約30万年後に、このような均一な形に成っているというのが、相対論的にはあり得ないことの様なのです。
これまた申し訳ないことに、内容がよく分かってないのですが、どうも、「いかなる物質も光よりも早く動くことが出来ない」という、相対論の大前提に引っ掛かるらしいのです。
という訳で、ビックバンを証明したものが、一方ではあり得ないという謎にもなったのです。
それに対する仮説が、インフレーション理論なのです。
都合の良いインフレーション理論
その内容は、宇宙は、ビックバン開始後の10 のマイナス 44 乗秒後から、10 のマイナス 33 乗秒後までに(1兆分の1の1兆分の1の、そのまた10億分の1秒!まあ無茶苦茶短い時間ということです)、異常な膨張をしたというものです。
その膨張の大きさは直径 10のマイナス 34 乗㎝から 1 ㎝と言われているようです。
なんだ1㎝かと思われるかもしれませんが、スケール的には、砂粒が銀河ぐらいの大きさになったことに相当するようです。
光速より早く大きくなったような気がしますが、物質が大きくなったのでは無く、空間が大きくなったので、OKだそうです。(なにか騙されたような気もしますが)
空間があっという間に大きくなったので、その中は引き延ばされて、ほぼ均一になったのだという事のようです。
因みに、どのようにしてこんなことが起こったかという事については、よく分かっていないようです。
勿論、どうして程良いところで止まったかについてもです。
これは、ダークマターと同じような匂いがしないでしょうか。
あまりにも都合が良すぎるような気がしませんか。
この話についても、相対論の方を修正すべきではないのかと、最近まで考えていましたが、違う見方も有ったという話は次回という事で。
ではでは