修正ニュートン力学に関する話(後編)です
修正ニュートン力学まとめ
前編で、修正ニュートン力学(以下MOND)によって、ダークマターの存在に頼ることなく、銀河の回転等の観察結果を、自然に説明できるのではないかと言う話をしました。
その要点は、重力の強さは距離と共に変化し、恒星間ほど距離が大きくなった場合には、距離の2乗では無く、距離の1乗の反比例に漸近すると考えるというものでした。
これで確かに、様々なことが説明できるようですが、では、どうしてそうなるかと言う説明は、明快なものは無いようです。
どちらかと言うと、数学的にそう考えると、説明出来るという感じが強いもののようです。
重力と空間の関係
もっともこれは、ニュートン力学にしても、同じようなもので、なぜ重力が生じるのかと言うことに関しては、何も説明していなんですけどね。
ただ、相対性理論では、そのあたりは、少しだけ説明されています。
一度は聞いたことが有るんじゃないかと思いますが、「質量によって空間が曲がる」というものです。
よく、重力の発生に関して説明するものとして、次のような図を見ることが有ると思います。
イメージとしては、周辺が固定されたゴムのシートのようなものの真ん中に、ボーリングのボールのようなものを置いたときに、沈み込んで漏斗のような形になる訳ですが、その漏斗の中に落ち込んでいくのが重力だということです。
その重力が、常に、距離の二乗に反比例するということは、質量と距離だけが影響しているという事になります。
空間の性質
それにしても、空間が曲がるといわれても、全くもってピンときませんね。
そもそも、物体と物体の間が空間なわけで、それが曲がると言われても、なにも無いんじゃないかと思いますよね。
それでも、それで説明が出来るという事なので、ここはそれでよしとしましょう。(というか、考えても何も浮かばないんですけどね)
さて、この状態から質量が無くなったとすると、当然のことですが、重力が無くなるという事ですから、空間の曲がりは無くなり、元に戻ることになります。
という事は、空間には、復元力と言うか弾性のような性質が有る事になります。
重力と空間の弾性
であるならば、重力には、距離だけでなく空間の弾性も影響しているはずです。
もう一度、周辺を固定されたゴムシート(弾性も有りますからね)とボーリングのボールで考えてみましょう。
小さなシートより、大きなシートの方が、よりボールが沈みこむことが、容易に想像できると思います。
その程度は、直径が大きくなるにつれて大きくなるはずです。
このような機序で、空間の弾性の影響により、距離が大きくなるにつれて、重力の減少率が、距離の2乗の反比例から乖離することになるのではないでしょうか。
もっとも、その結果、MONDが要求しているように、距離の1乗の反比例に漸近するのかどうかは、空間の弾性がどういう性質のものなのか分からない以上、何とも言えないんですけどね。
というか、空間の弾性ってなんだっていう話ですけどね。
以上、重力に関する妄想、名付けて「空間弾性理論」(ただし、数式的な裏付けは全く無し)でした。
ではでは