骨の透明化から考えた話です。
骨の透明化
TVで骨の透明化についてやっていました。
骨は勿論不透明なのですが、その内部はぎっしりと表面と同じような物質が詰まっているわけでは無く、血管や神経も存在する複雑なものです。
これまでは、断面や層状に切り出した切片を観察することで、その全体像を研究するのが一般的だったようです。
それに対して東京医科歯科大学の研究では、骨を特殊な溶液で処理することにより、骨の組織を透明化する事で、その内部構造を可視化することに成功したのです。
なにはともあれ、ます結果を見てみましょう。
引用元:「 新しい骨組織透明化技術の開発による骨内神経の3次元構造の可視化 」【佐藤信吾 講師】 | 国立大学法人 東京医科歯科大学
確かに透明化しているようですが、内部構造までは分からないように見えます。
ところが、これを組織ごとに染め分けると次のようになります。
引用元:同上
綺麗に神経と血管の構造が浮かび上がっているのが分かります。
意外な神経の構造
その透明化と染色の技術を使って観察した結果、神経の面白い構造が分かりました。
引用元:同上
なんと神経は、骨の内部と外部が一点のみでつながっているようなのです。
因みに、血管ではこのような事は見られず、複数の点で骨の内外がつながっているようです。
長年の疑問が
これを聞いた時、私は長年の疑問の答えがこれではないかと思いました。
それは経穴、いわゆるツボの位置に関する疑問です。
ご存知のようにツボは、全身に張り巡らされた経絡上にあり、適度の刺激すると様々な体の不調に効果があるというものです。
その位置以前に、そもそも経絡というものが分かりません、全身に張り巡らされたという事からすると、血管か神経ということになりますが曖昧です。
血管や神経だとすれば、少しぐらいずれた所を刺激してもそれほど違いは無い様に思えます。
ところがツボの位置はかなり細かく指定されているのです。
引用元:足がむくんで靴が入らない!というあなたに、むくみの原因とツボマッサージをご紹介 - 漢方の知恵で、もっと健やかに美しく。Kampoful Life
神経の侵入点か
今回見つかった、神経が骨に侵入する点がツボなのではないでしょうか。
そう考えると、位置が細かく指定されているのもうなずける事になります。
そこがツボという事は、骨の中の神経を刺激するという事になります。
そういう事だとして、それと体の不調がどう繋がるのでしょう。
近年になって、骨が単に力学的に体を支えているだけのものでは無く、様々な機能を持っていることが知られるようになって来ています。
例えば、「若返りホルモン」とも呼ばれているオステオカルシンとう物質や、その他にも様々な物質を分泌していることが分かって来ています。
こういった事に、ツボの刺激が関係しているのかもしれません。
もっとも、全てのツボがこういったものとは限りません。
明らかに骨のない部分にもツボは有ります。
今回の骨と神経のような関係が、骨以外の組織との間にもあるのかもしれません。
昔の人はどうやってこんな場所を特定したものか。間違って秘孔を突かれてしまった人もいたのでしょうか。
ではでは