最古のパピルスの内容から考えた話4です。
前回の記事
前回の記事では、ギザの三大ピラミッドの作られた目的ついて考えました。
1、2までの記事で、クフ王のピラミッドの完成がクフ王の死に間に合わず、別の場所に葬られた可能性が有る事を見てきました。
王の墓をすぐに用意するのは難しい(普通ファラオの即位と共に造り始める)事から、クフ王のピラミッドは最初からダミーとして作られたのではないかと思われるのです。
ピラミッド内の各空間が、墓として使われた痕跡も無い事も裏付けとなると考えました。
更に、ギザの残り二つのピラミッドも使われた痕跡がない事から、同様に最初からダミーとして作られたと思われます。
クフ王のピラミッドは?
と分かったように書いて来ましたが、一つ大きな問題点が残っているのです。
それはクフ王のピラミッドの内部構造です。
ここで、ダミーの意味について再確認したいと思います。
古代エジプトでは、ピラミッド以前から貴人の墓として、次のようなマスタバと呼ばれる形式の物が作られていました
引用元:マスタバ - Wikipedia
この地上部分を四角錐の形にしたものが、ピラミッドだと考えているわけです。
権威を示すためにはもってこいのピラミッドですが、その下に墓室があるのが丸分かりという欠点が有りました。
そのために、通常の墓室以外に密かに墓室を作って、そちらに埋葬したのではないかと考えたのです。
とすると、クフ王のピラミッドの地面より上の部分の内部構造は、何なのでしょう。
ダミーとしては、地下の部分だけで十分なはずです。
地上部分は探さない
ダミーの為でないことは明白でしょう。
そもそも、盗掘しようとする者達は、地下に墓室が有ると思っているはずですから。
しかし、よく考えて見ると、そこにこそ答えがあるのかもしれません。
クフ王は、普通誰もそこにあるとは考えない地上部分に墓室を造れば、盗掘者の目をごまかせると考えたのかもしれません。
そのために、建造の途中で設計の変更を命じたのです。
その時には、地下のダミーと本当の墓室は完成していたのでしょう。
そしてさらに妄想をふくらませるならば、その設計変更による工期の延長が、最後の最後で完成が間に合わなかったというオチの原因だったのかもしれません。
残り二つのピラミッドでは、間に合わなかったというのがトラウマになって、地上部分の墓室は採用しなかったのです。
ほかにそんな構造のピラミッドが無い事を見ると、単にクフ王が変わり者だったという可能性も捨てきれないのですが。
ではでは