最古のパピルスの内容から考えた話3です。
前回の記事
前回の記事は、最古のパピルスと呼ばれている発掘物の内容から、クフ王のピラミッドの作られた期間について考えた話でした。
最古のパピルスより解読された内容から、クフ王のピラミッドがクフ王在位26年目の年に建造の最終段階にあった事が分かりました。
一方、他の研究によりクフ王が在位26年目に亡くなったことが判明しています。
従って、ピラミッドが王の墓で有るならば、クフ王のピラミッドは26年で完成したことになります。
しかし、その内部に墓所として使われた形跡が無く、むしろ途中で放棄された様に見える事から、クフ王のピラミッドはその完成が間に合わなかったのではないかという話でした。
間に合わなかったとすると
もし上のような事だとすると、クフ王は、いまだ発見されていない墓に葬られたという事になります。
しかし、これは良く考えると可笑しな点がある事に気が付きます。
ピラミッドが間に合わないとなったとして、それ程簡単に他の墓所を用意出来るとは思えないのです。
ファラオを葬るのですから、急造の墓で済ますという訳にはいかなかったと思われます。
ではどうしたのでしょう。
実は最初から極秘に用意されていたのではないでしょうか。
ピラミッドという発想
古代エジプトでは、ピラミッド以前から貴人の墓として、次のようなマスタバと呼ばれる形式の物が作られていました。
引用元:マスタバ - Wikipedia
見て分かるように、地上に方形の構造物があり、墓室は地下に作られます。
この形式から、地上部をピラミッド型にするというのは、さほど飛躍した発想ではないでしょう。
その技術的な到達点が、ギザの三大ピラミッドだったと考えられます。
盗掘という問題
ファラオの強大な権力を示すという点においては、ピラミッドの効果は絶大だったでしょう。
あれほどの物を作ることが出来るのは、ファラオ以外にはいないわけですから。
勿論、目立つだけに負の側面も生じる事になります。
盗掘に遭い易くなってしまうのです。
ピラミッドの下には墓所が有る訳ですから、後はどうやって侵入するのかという話です。
木は森の中に隠せ
それに対する対策として考え出されたのが、ピラミッドを隠れ蓑にするというものだったのではないでしょうか。
ピラミッドを大々的に造りながら、密かに本当の墓所を作っていたのです。
当然、ピラミッド程の規模ではないので、ピラミッドより早く完成しており、そこにクフ王が葬られたのです。
何処に造ったのかという事になりますが、当然秘密裏にしなければなりません。
そのために、ピラミッドの建造工事に紛れて、その地下の近辺に造ったのではないかと思います。
あれだけの大規模工事です、地下で何かやっていても分からないでしょう。
ピラミッドの少し離れた地下部分に有るのではないでしょうか。
残り二つのピラミッドも
ギザの残り二つのピラミッドでも、地下の墓所と考えられている空間が、いずれも使われいないように見える事も、同じなのではないでしょうか。
やはり、ピラミッドとその地下の墓所は、最初からダミーとして作られたのです。
何れも親のやり方を踏襲し、さらに前回までの話で見てきたように、高度な官僚組織により、前例踏襲という流れも影響したのかもしれません。
ギザの三大ピラミッドの周辺地下には、未盗掘のファラオの墓が三つあるのかもしれません。
放射線によるピラミッド内部の調査というのが話題になっていますが、周辺の地下の調査も面白そうなのですが。
ではでは