ギザの三大ピラミッドの内部空間の違いから、大回廊の役割に関して考えた話です。
ギザには三つのピラミッドが有る
ここ最近、シンクロニシティという程ではないですが、続けざまに、テレビでピラミッドを扱った番組をいくつか見ました。
それらの番組を見ている中で、いまさらながらに思い出したことが有りました。
それは、ギザには、クフ王のピラミッド以外にも、二つのピラミッドが有るという事です。
それはもちろん、メンカウラー王とカフラー王のピラミッドで、クフ王のピラミッドと合わせて、ギザの三大ピラミッドと呼ばれているのは、ご存知の通りです。
何をいまさらと思われるでしょうが、そういえば、クフ王のピラミッド以外の二つのピラミッドの内部については、あまり聞いたことが無いなと思ったわけです。
二つのピラミッドの内部空間
調べてみると、現在までに発見されている内部空間はそれぞれ次のようになっているようです。
先ずメンカウラー王から
引用元:第15回 ピラミッドに新たな「未知の空間」の発見[後編] | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
点線部分がピラミッドの本体部分です。
つまり内部空間は、ほぼ地下に有るという事になります。
次にカフラー王です。
引用元:同上
同じように点線部分がピラミッド面になります。
やはり、内部空間は、ほぼ地表面より下に有ることが分かります。
いずれも、クフ王のピラミッドとは違って、ピラミッド本体の内部には、大回廊のような、大きな内部空間は見つかっていないようです。
大回廊が無い意味
では、なぜ二つのピラミッドに大回廊が無いのか。
以前、クフ王のピラミッドに関して、その謎の空間に関して記事を書きました。
その中で、大回廊は王の間の石材を、謎の空間の正体は、もう一つの大回廊で、重力軽減の間の石材を運び上げるのに、それぞれ使ったものではないかと言う話をしました。
その大回廊が、クフ王のピラミッド以外の二つのピラミッドに見られないという事は、この説を補強していると考えられないでしょうか。
なぜなならば、この事は、大回廊が必ずしもピラミッドに必須の構造ではないことを示していると考えられるからです。
三大ピラミッドを作った、三人の王は、親、子、孫の関係に有るようなので、その三代の間に、宗教や死生観に大きな変化があったとは思えず、それによりピラミッドの設計が変わり、大回廊が無くなったという事は考えにくいです。
つまり、大回廊が、宗教的な儀式用とか、または死生観に従って魂の通るためなどの、ピラミッドに必須の構造だというようなことは無いと思われます。
クフ王のピラミッドで、王の間や重力軽減の間の材料の巨大な石を引っ張り上げるのに使ったのが、大回廊であるならば、いずれも内部空間が地表面以下に有る二つのピラミッドには、石を引っ張り上げるための大回廊は必要なかったという事ではないでしょうか。
とはいえ、二つのピラミッドの本体内部にも、見つかっていない空間が有るかもしれません。
ぜひ、この二つのピラミッドも、クフ王のピラミッドと同様に、宇宙線を利用した調査を行っていただきたいです。
ではでは、良いお年をお迎えください。