キリンと麒麟について考えた話です。
キリンと麒麟
キリンと言えば、これから一杯やるぞといった場面を除いて、普通はアフリカなどで見る首の長い4足歩行の哺乳類の動物を指します。
引用元:キリン - Wikipedia
一方、これを漢字で「麒麟」と書くと、キリンを指すことも有りますが、一般的には、中国の伝説上の生き物の事になります。
引用元:麒麟 | ブログ | 首里城 ‐ 琉球王国の栄華を物語る 世界遺産 首里城 - スマートフォン版
今回は、このキリンと麒麟の関係について考えてみたいと思います。
麒麟とは
上でも書いたように麒麟は、中国の伝説上の生き物で、上図のようにおどろおどろしい見た目をしているとされています。
鹿に似ていて大きく、尾は牛に、蹄は馬に似て、背毛は五彩で毛は黄色、頭上に肉に包まれた角があるという事のようです。
その見た目とは違ってと言うと失礼かもしれませんが、聖獣とされていて、非常に穏やかで優しく、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌うのだそうです。
そして、王が仁のある政治を行うときに現れる神聖な生き物だということです。
見た目で判断してはいけないという事です。
なぜキリンか
明の時代に、鄭和があの大航海でアフリカまで到達し、キリンを含めた多くの動物を持ち帰りました。
当時の皇帝永楽帝が、キリンが伝説の聖獣麒麟に似ていることから、気に入ったらしいです(何しろ仁のある政治を行うと現れるわけですから)。
それから、キリンの事を麒麟と呼び、それが日本にも伝わって、現在はカタカナでキリンと表記している。
という事は有りません。
それが証拠に現在の中国では、キリンは「長頸鹿」(“長いくびの鹿”)という、面白みのない名前で呼ばれているようです。
実際には日本では、明治時代に日本語名を考える時に、上の永楽帝の話を基にしたのかどうかは不明ですが、「麒麟」という名前にしたという事だそうです。
意外な関係が?
というのが、キリンと麒麟の関係ですが、もう一つ意外な関係があるかもしれない仮説を思いつきました。
先ず、キリンの頭蓋骨をご覧ください。
どうでしょう、なかなか衝撃的ではないでしょうか。
キリンを見たことのない人が、これを見て実際のキリンを想像することは難しそうです。
引用元:キリン - Wikipedia
古代中国の人たちも同じだったでしょう。
キリンの頭蓋骨を見た人たちが、想像で作り出したのが「麒麟」だったのではないでしょうか。
幸か不幸かその人たちは、長い首の骨は見なかったのでしょう。
尾は牛に、蹄は馬に似て、背毛は五彩で毛は黄色みたいな特徴は、聖獣として作り上げて行く中で考えられたと思われます。
麒麟に似ていると思われたキリンですが、キリンを基にして想像で作られたのが麒麟なのだから当たり前、という事です。
それにしてもあの頭蓋骨から、あのキリンの顔を想像することは難しいと思ったのですが、よく考えたら人間も同じようなものですか。
ではでは