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農耕の始まり・権力編

農耕の始まりについて考えた話・権力編です。

 

 

解答編

 前回の解答編では、農耕の始まり方に関して、の現状での私の解答を書いてみました。

 

yokositu.hatenablog.com

 

従来考えていた、狩猟採集が困難になっていく中で農耕にシフトしていったという事では無く、採集の比重が大きくなった環境の中で採集対象に関する情報が蓄積され、ヤンガードリアス期終了後の温暖化の中で農耕へと花開いたのではないかという話でした。

 引用元:最終氷期/ヤンガードリアス期/完新世 - 歴史の世界を綴る

今回は、農耕の始まりと権力についての話です。

農耕と権力

 農耕の始まりと権力の関係については、以前に一度書いています。

 

yokositu.hatenablog.com

 

農耕社会では、当然のことながら、農耕による生産物を、貯蔵することに拠り、次の収穫までを乗り切ることになります。
逆に言うと、その生存が、生産物によって制約されるという事になります。

武力などの力により、貯蔵されている生産物の供給をコントロールすることに拠り、その他の人々に行動を強制することが可能になったと考えられます。

ここに至って、初めて、権力が発生することになったのではないか。

農耕の開始により、権力が発生したと考えたわけです。

間違ってはいないが

 農耕の始まりと権力の発生に密接な関係が有ったという考えは、間違ってはいないと思いますが、改めて考えると、それだけでは説明出来ないことも有りそうです。

確かに、生産物の供給のコントロールにより、他の人々の行動を強制する事が出来そうです。

中にはそういった野望を持った人物が生まれて来るという事も有ったでしょう。

しかし改めて考えると、それが全てとは言わなくとも、多くの村落というか、共同体で起きたかと言うと、疑問が残るなと。

そういった指向の人物は別として、権力構造が絶対的に必要かと言うと、そんなことはないわけです。

そんなものが無くても、共同体としての運営は可能なはずだし、多くはそうだったのではないかと思います。

何が権力を

 農耕が始まる事により権力が発生する条件は整ったわけですが、実際に生じるにはもう一押しが必要なようです。

それは、農耕の発生した時期に関係が有るのではないでしょうか。

上でも書きましたが、農耕はヤンガードリアス期終了後の温暖化の中で始まったと考えました。

気候が良くなっていく中で始まったわけですから、結果として人口や共同体の数も増加したと考えられます。

その中で、太陽活動の変化によるもののような、農耕に影響を与えるような気候の変化が起きたらどうでしょう。

それまでの温暖化で増えてきた共同体全てが生き伸びるだけの、生産が出来なくなるという事も有ったはずです。

そういった中で、共同体間での争いが起き、そこで培われた武力を背景に、リーダーシップを取ったものが権力を掌握したのではないでしょうか。

一旦確立された権力は、その後気候が回復しても、強化される事は有っても無くなる事は無かったという事になります。


 権力は、必然ではないのです。


ではでは