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続・先史時代の洞窟壁画

先史時代の洞窟壁画について考えた話続編です。

 

 

前回の話

 前回は、先史時代の洞窟壁画についての話でした。

特に、その写実的に描かれた動物の絵について考えました。

 

yokositu.hatenablog.com

 

先史時代の洞窟壁画については、その描かれた絵の写実性の高さから、人類の芸術的なものの始まりのように捉えられています。

しかし、その写実性については、対象である動物を観察する事が、生き死にに直結するものであったはずで、結果動物を描くとなった時には、必然的に写実的になったのでは無いかと考えました。

芸術を目的として描いた訳では無く、動物を描く時に結果として写実的になったのです。

今回は、なぜ動物を描いたのかを考えて見ます。

記号も描かれている

 洞窟壁画には写実的な動物、写実的でない人、と共に何を示しているのか分からない記号のようなものも描かれています。

研究によって、多くの洞窟壁画に共通の記号が描かれていることが分かってきました。

それらは、これまでのところ32種類の記号に纏められるという研究があるようです。

 

引用元:ジェネビーブボンペッツィンガー(洞窟)の経歴や年齢は?結婚した夫も古人類学者?

ただし、これらは文を形作っているわけでは無く、アルファベットのような文字ではないようです。

広範囲にみられる

 これらの記号が、広範囲の洞窟壁画で共通にみられることから、何らかの意味を持っているのではないかと考えられているようです。

我々がスマホなどで使っている絵文字のようなものだと考えると、分かり易いかもしれません。

狩猟対象である動物と、何らかの意味が有ると考えられる記号が描かれている事から、動物に関する何らかの情報を表していると言えそうです。

生きていくために狩る対象に関する情報な訳ですから、普通に考えればより沢山獲るためのものでしょう。

現状分かっている事柄からは、具体的に何かという事は断定できませんが、いつ頃獲れるのか、どこで獲れるのか、出産の時期、といったようなものでしょうか。

アジア、オーストラリアでも

 さらに、これまではヨーロッパの洞窟壁画を中心に研究されて来たのですが、最近の研究で、これらの記号がアジアや、オーストラリアでも使われていることが分かって来たようなのです。

という事は、これらの記号の使用が、少なくともホモサピエンスがアフリカを出て、世界に広まり始めた時点まで遡るものだと言えそうです。

アフリカを出る前か、出た直後の辺りで、記号を含めた洞窟壁画が始まったという事になります。

それが、狩猟採集生活を行う点で有効で有ったために、その使用についての知識が広がり、ヨーロッパ方面とアジア方面に分かれたいずれの集団にも引き継がれたのだと考えられそうです。

そして、農耕が始まり狩猟採集が行われなくなり、洞窟壁画は忘れ去られていった事になります。


 記号を使った洞窟壁画は、一人の天才が始めた可能性もありそうです。


ではでは