犬が、他の家畜や、何より猫よりも先に飼いならされたのはなぜか考えた話です。
犬が一番最初に飼いならされた
前回の話で、オオカミを飼い馴らして、現在の犬になった経緯について考えて見ました。
オオカミの子供が可愛かったので連れて帰ったのが、始まりでは無いかと考えました。
もしそうだとするならば、同じ事はそのほかの飼いならされた動物、馬、牛、豚、羊、鶏、そして勿論猫にも当てはまるはずです。
何しろ、子供が可愛いというのは、全ての動物に共通ですからね。
ところが、実際にはこれらの中で、犬だけが一歩先んじて飼いならされたようなのです。
犬に関しては一万二千年前の女性の墓から子犬の骨が見つかっており、その時期までには飼いならされていたと考えられています。
一方その他の動物に関しては、前後は有るものの概ね一万年前以降に飼いならされたと考えられているようです。
この差は何処から来たのでしょうか。
家畜は草食
前回の記事では、オオカミの子供が飼いならされた要因として、彼らが元々、群れで生活する動物だったことが有るのではないかと考えました。
実はもう一つその要因では無いかというものがあります。
それは、オオカミが肉食だという事です。
その当時の人類は、狩猟採集生活をしていたわけですから、肉食のオオカミの子供に与えるには、自分たちの食べ物を分け与えればよかったのです。
それに対して、馬、牛、豚、羊、そして鶏は、みな草食なのです。
狩猟採集に加えて、彼らの餌も採ってこなければならないことになります。
一般に草食動物の食べる量は、草の栄養価が低いために、大きなものになります。
これは、狩猟採集民には負担が大きすぎたのでしょう。
そのため、彼らが飼いならされるのは、農耕生活となった1万年前以降となったと考えられるのです。
猫は肉食
では、現代のペットで犬と並んで双璧の、猫はどうでしょうか。
猫は、遺伝的研究により、リビアヤマネコが基になっていることが分かっているようです。
ところがリビアヤマネコも肉食なのです。
従って、オオカミと同じで、餌の問題は無かったと考えられます。
そのため、リビアヤマネコの子供を連れ帰った者もいたと思われます。
しかしオオカミと違って、リビアヤマネコは単独行動をする生き物であり、人間の間で生きるのにはあまり向いていなかったと考えられます。
とは言っても、現在でもそうですが、そのあたりが好きだという人もいたでしょう。
それでも、オオカミとは違って、人間の狩りを手伝うような事は無かったという点で、その飼育が広がるという事は無かったのでしょう。
それを裏付ける様に、猫も、犬以外の家畜と同様に、農耕が始まってから飼育が始まったと考えられているようです。
これは、ネズミなどから農作物を守るという役目を果たすことが出来る事から、飼育されるようになったと考えられているようです。
まあ、先だろうが後だろうが、どちらも居てくれてありがとうですよね。
ではでは