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時間だけはある退職者が、ボケ対策にブログをやっています。

農耕と権力

 農耕と権力の関係に関する話です。

 

 

石器時代は平等

 石器時代には、男性が狩猟を行い、残った女性が採集を行っていたと考えられていると、以前の記事で書きました。

 

yokositu.hatenablog.com

 

同時に、権力者などのいない、平等な社会であったとも考えられているようです。
これは、埋葬方法に差の無かったことからも、裏付けられると考えられています。

ところで、ここでは、権力を以下のようなものと考えます。

権力とは、一般にある主体が相手に望まない行動を強制する能力である
引用元:権力 - Wikipedia

 

 なぜ平等だったのか

 前述のように権力を定義すると、生活が、狩猟採集によるものである限り、集団の構成員に何かを強制する事は困難だったので、権力は生じなかったのだと考えられないでしょうか。

例えば、誰かが、その他の人たちに、食料を取って来るように強制しようとしても、言われた方は、単に取ってこなければいい訳です。
その行動を強制する方法は、無いように思われます。
そうなれば、強制しようとした方は、自らも食料を調達しない限り、飢えるだけと言う結果になるだけです。
それどころか、平等な社会でそのようなことをすれば、社会から排除される可能性が大です。

という訳で、狩猟採集生活をしていた時代の人々は、我々が考えるような平等主義だったからではなく、生活方法からくる結果としての、平等な生活をしていたという事だったと思われます。

権力の発生

 そんな中で、前の記事で考えたように、次第に農耕技術が発展していくことになり、農耕による生産物を主たる食物とする、農耕社会が発生することになります。

 

yokositu.hatenablog.com

 

農耕社会では、当然のことながら、農耕による生産物を、貯蔵することに拠り、次の収穫までを乗り切ることになります。
逆に言うと、その生存が、生産物によって制約されるという事になります。

ここに至って、初めて、権力が発生することになったのではないでしょうか。
武力などの力により、貯蔵されている生産物の供給をコントロールすることに拠り、その他の人々に行動を強制することが可能になったと考えられます。
逆らえば、食べられなくなる訳ですから。


 農耕開始により始まったのは、定住ではなく、権力だったのです。


 ではでは