龍とドラゴンの飛び方以外についても考えた話です。
前回の話と訂正
前回は、龍とドラゴンの飛び方の違いから考えた話でした。
東洋の龍は飛ぶための器官が無くても飛行するのに対して、西洋のドラゴンは飛ぶための羽根を持っています。
この違いは、現代のヒーローたちにも引き継がれ、飛ぶための具体的なものを必要とする西洋、神通力のような具体的な形の無いものの存在を認める東洋という事が言えるのではないかという話でした。
その話の中で、東洋の例として「ドラゴンボール」に出て来る「舞空術」を挙げたのですが、それを生み出したのが「亀仙人」だと書いてしまいました。
勿論、「鶴仙人」の間違いです。
速攻で訂正しました。
どうも、「ドラゴンボール」というと、反射的に「亀仙人」となってしまいがちです。
飛び方以外にも
ところで、この龍とドラゴンの、具体的なものを必要とするかしないかの違いは、飛び方だけではなく、それ以外にもあるようです。
再び、アメコミヒーローで見てみてみましょう。
アイアンマンは、そのものズバリ、全身を覆うアーマーを自ら作り出しました。
ハルクが超人に変身するようになったのは、自ら行った実験中の事故が原因です。
キャプテン・アメリカは、戦時中の超人血清の実験によって生まれました。
スパイダーマンは、放射能を帯びたクモに噛まれて、超人的な能力を持ちました。
といった具合に、それぞれの能力に対する何らかの具体的な理由付けがされています。
それに対して
それに対して、東洋ではどうでしょう。
こちらは、具体的な理由付けではなく、精神的な説明がされることが多い様に思います。
特に「修行」というのが良く出て来ます。
「ドラゴンボール」はその典型で、主人公の悟空始め、登場人物の多くが様々な「修行」を行う事で強くなっていきます。
多くのアニメヒーローがこのタイプに当てはまります。
中には、ウルトラセブンに指導され修行するウルトラマンレオというヒーローもいました。
背景はどこに
こういった違いはどこからくるのでしょうか。
まず、上の話から西洋においては、人知を超えるものについても何らかの説明(それが荒唐無稽で有っても)が求められるいる事が分かります。
これに関しては、宗教的な背景が有るのではないかというのが、私の仮説です。
キリストの起こした奇跡の中に、「水の上を歩いた」というものが在ります。
つまり、こういった人知を超えるものというのは、基本的には神が持っているものなのです。
それをなんの理由もなく使う事が出来るというのは、一神教では有り得ないという事になります。
そのために、とにかく理由付けが必要という事ではないでしょうか。
それに対して東洋においては、仏教や道教のように、基本的に修行によって何らかの力のようなものを得るということがあります。
それがどのようなものかは、「悟り」や「神通力」のように、多くの場合具体的には説明されません。
とにかく悟空は修行によって、かめはめ波が撃てるようになるのです。
欧米で、神様の沢山出て来る「ドラゴンボール」が人気なのは良いのかと思うのですが、どうなんでしょう。
ではでは