龍とドラゴンの飛び方から考えた話です。
同じ飛ぶのでも
過去の記事でも少し触れましたが、同じキリンから作り出されたと考えられ、同じように空を飛ぶことが出来る東洋の龍と西洋のドラゴンですが、その姿形に違いがあります。
西洋のドラゴンには、分かり易く羽根があります。
引用元:ドラゴン - Wikipedia
ところが、東洋の龍にはそういったものは有りません。
引用元:竜 - Wikipedia
その為の器官がなにも無くても、とにかく龍は飛ぶことが出来るのです。
逆に言うと、西洋ではドラゴンが空を飛ぶためには、羽根が必要だったという事になります。
その他の例でも
この空を飛ぶという事に対する西洋と東洋でのスタンスの違いは、その他にも古よりみられるのです。
例えば、イカロスは人工の羽根により飛べるようになりました。
魔法使いも、飛ぶときには箒に跨ります。
西洋では、あくまでも何か具体的に無いといけないのです。
それに対して東洋では、例えば仙人も空を飛ぶことが出来るとされました。
仙人が空を飛べるのは、修行によって獲得した神通力によるものとされ、羽根のようなものや、何かの道具を使って飛ぶわけではありません。
飛ぶための具体的なものを必要とする西洋、神通力のような具体的な形の無いものの存在を認める東洋、のような感じでしょうか。
現代の西洋でも
このような違いは現代でも見られます。
超人の集まるアベンジャーズではどうでしょう。
アイアンマンは、自ら科学技術によって作り出した「アーマー」によって、空を飛ぶ能力を手に入れます。
マイティ・ソーも空を飛ぶことが出来ますが、それは手に持つハンマーのような武器「ムジョルニア」の能力だとされています。
ファルコンは、「ジェットパワーの人工翼」で飛行しているという設定です。
やはり、飛ぶためには何らかの具体的なものを必要とするようです。
現代の東洋では
これに対して、例えば『ドラゴンボール』では、悟空は最初「筋斗雲」を使って飛んでいますが、最終的にはほとんどのキャラクターが「舞空術」により飛べるようになります。
「舞空術」は、術と有るように、具体的な道具を使ったものでは無く、修行により飛べるようになるといったものです。
仙人と同じような能力だなと思っていたのですが、どうやら鶴仙人が生み出したとされているようで、まさに仙人の術だったようです。
その他にも、最近日本でも多く見られるようになった中国ドラマでも、仙術使いや魔族といった者達が比較的気軽に(といったら失礼かもしれませんが)飛び回っています。
どうも、東洋では身一つで飛ぶことに、大きな違和感が無いようです。
スーパーマンのマント
空を飛ぶと言えば、忘れていけないのがスーパーマンでしょう。
これまでの話を基にすると、スーパーマンはあの有名な赤いマントで飛んでいるという事になります。
ところが実際にはそんな設定は無いようです。
中世以降の権威や力の象徴としてのマントの影響で、「怪傑ゾロ」のようにヒーローがマントをするようになり、スーパーマンもマントを着けて登場することになったということのようです。
という事なのですが、私的には、その恰好を見た西洋の人々が、マントを付けている事でスーパーマンの飛ぶという能力に納得したのでは無いかと思っているのですが。
スーパーマンは、あの恰好だから空を飛ぶことを許されているのです。
そういえば、アンパンマンもマントが無いと飛べないのでした。
ではでは