先史時代の洞窟壁画について考えた話です。
先史時代の洞窟壁画
先史時代の洞窟壁画というと、アルタミラ洞窟(スペイン)やラスコー洞窟(フランス)を代表として、主にヨーロッパののものが有名です。
数万年前の物とは思えないその絵のすばらしさもあって、人類の芸術的なものの始まりのように捉えられています。
引用元:【スペイン】旧石器時代に描かれた洞窟壁画!世界遺産「アルタミラ洞窟」 - おすすめ旅行を探すならトラベルブック(TravelBook)
確か、その昔の学生時代の美術の教科書も、芸術史の始まり辺りにアルタミ洞窟の壁画が取り上げられていた記憶が有ります。
写実的なところが
まあ、芸術オンチの私には、これが芸術的かどうかは何とも言えないのですが。
ただ、素人目に見ても非常に写実的だという事は分かります。
その写実性に優れている事も、単なるお絵かきではなく、芸術的なものとして捉えられている要因の一つのようです。
写実的に上手い絵を描いているから、現代の画家のような才能が開花したのではないかという訳です。
本当にそうなのでしょうか。
どうして写実的なのか
果たして、洞窟壁画に見られる写実性が、当時の人類に芸術性が開花した事を示していると言えるのかどうか。
そうではなくて、結果として写実的になっているのではないかと思うのです。
その根拠として、洞窟壁画に描かれているものの多くが、当時の人類の狩猟対象である動物だということが挙げられます。
一般的に絵が下手な人は、何かを描こうとしたときに、描く対象の姿形の記憶が曖昧な事が多いです。
簡単に言うと、よく見ていないと言えるかと思います。
言い方を変えると、しっかりと見る必要性が無いとも言えそうです。
現代においては、動物をしっかり見ないといけないというのは、特殊な場合であり、普通は詳細に見るといった事はないと思います。
それに対して洞窟壁画が描かれた時代ではどうでしょう。
当時の人類は狩猟採集をしていたわけですから、その対象である動物を観察する事は、生き死にに直結するものであったはずです。
その結果動物を描くとなった時には、必然的に写実的になったのでは無いでしょうか
人を描く時は
それに付随するものとして、洞窟壁画では人間が写実的に描かれていないという点が挙げられます。
人間が狩猟対象では無かったのは明らかなので、その人間が写実的に書かれていないという事は、洞窟壁画では狩猟対象の動物を描くのが主たる目的で有ったという事も示していると思われます。
やはり、狩猟対象に関する何らかの情報を記録するのが目的だったのでしょうか。
人間も写実的に描いてくれれば、当時の人間がどういった人達だったのか分かったわけで、残念なところではあります。
ではでは