ビックバンについて考えた話 その2です。
前回のまとめ
宇宙マイクロ放射というものがビックバンの証拠とされたのですが、同時に相対論との不整合という問題も生じたため、それを解決するためにインフレーション理論というものが考え出されます。
そのインフレーション理論が、あまりにも都合がよすぎて辻褄合わせにも思えるので、その代わりに相対論を考え成すという考え方も有るが、そうでもないよというのが、前回の記事の話でした。
という訳で、今回は、そのそうでもないよの話です。
ビックバンの始まり
宇宙マイクロ放射が、ビックバンそのものを示す物であればなんの問題も無いのですが、前回の記事にも書いたように、ビックバンが起きてから約38万年後の姿と考えられている訳です。
では、そもそもどうしてビックバンが起きたと考えたのでしょうか。
それは、ハッブルという人物が発見したことが基になっています。
ハッブルは、銀河が地球に対してあらゆる方向に遠ざかっていることを発見しました。
これを時間的に逆に考えると、離れていったものは集まっていくことになるので、最終的に一点から始まったと考えることが出来ます。
これとは別に、相対論の方程式からも、膨張する宇宙というものが導き出されていました。
これら二つの事を組み合わせることで、一点から始まって膨張を続ける宇宙というモデルが考えられ、その始まりにビックバンという名前が付けられたのです。
話が飛躍している?
という訳なんですが、この話よく考えると、チョット飛躍した点があると思うのです。
銀河が地球から遠ざかっているので、昔にさかのぼると反対に集まって来るというのは良いでしょう。
でも、それが最終的に一点にまで収束するというのはどうなんでしょう。
常識的に考えて、逆方向に離れていくものを見て、過去の何処かの時点で、集まっていたと考えるのは普通だとして、それが一点になるとは考えないですよね、という事です。
まあ、理屈としては、相対論の方程式から考えれば、数学的に一点になる事も有り得るという事なんでしょうが、数学的に正しいからと言って、それが現実の世界でも起こったと考えるのはどうなんだという事です。
最初の一点は無い
ではどう考えるのかという事ですが、先ず、現在膨張している宇宙が、遠い未来には、収縮し始めると考えます。
この辺りは、研究者の間でも議論の分かれるところですが、あり得ないことではないことのようです。
すると、一点に向かって収縮していきます。
しかし、最終的に一点になることはなく、どこかの時点で膨張に転じると考えるのです。
常識的に考えれば、こちらの方があり得るでしょう。
宇宙背景放射の示す状態に合う形で膨張に転じたと考えれば、最初の一点も、そして都合の良いインフレーション理論も必要無くなります。
さらに、最初の一点が無くなる訳ですから、その一点を記述できる理論がないといった問題も回避できることになります。
また、この問題に関しては、相対論の変更も必要ない事になります。
こういった考え方は、バウンス理論などと呼ばれているようです。
という訳で、一点から始まるという意味でのビックバンは無かったのです。
という事は、宇宙は膨張と収縮を繰り返しながら、永遠に続くという事になりそうです。
それはそれで、新たな謎な訳ですが、こちらの方が納得感が有ると思うのですが。
ではでは