付喪神について考えた話です。
世界では生き物から
前回までの話では、聖獣、魔物、魔獣、妖怪といった想像上の存在が、実在の生き物を基に作り出されたものである事を見てきました。
私的にどんなものから作りだされたのかよく分からないと思っていた、麒麟、龍、ドラゴンについても、首長のキリンが基になっているという結論でした。
その話の中では取り上げませんでしたが、ここで言う生き物には当然植物も含まれています。
有名どころでは、世界各地に似た話がある世界樹とか、様々な秘薬の原料となり歩き回ったりもするとされるマンドレイクといったものが、すぐに思い浮かびます。
植物から作られたものは、特に西洋に見られるように思います。
日本には付喪神がいる
日本にも同様に、生き物から作り出されたと考えられる、想像上のものが多く存在します。
が、生き物が基になっていない者達も存在するのです。
それは、付喪神と呼ばれている(実際には全てがそうかと言われると難しい所だと思いますが、分かり易さ優先で、こう呼ぶことにします)者達です。
彼らの多くは、道具や家具など人間が作り出したものに魂が宿って生まれると考えらえています。
某アニメで有名な、からかさ小僧、ぬりかべ、一反もめん、雲外鏡、提灯お化けを始めとして、チョット調べても昔から使われているものはほとんど付喪神になっているんじゃないかというほど出て来ます。
日本以外では
日本以外でこういった者がいるのか調べて見ても、調べた範囲ではなかなか見つかりません。
例えば、デュラハンという、頭部のない甲冑の妖精(ファンタジー的には、アンデット扱いなのですが、伝説では妖精のようです)いますが、これは、甲冑というものが基ではなく、甲冑を纏った騎士が基だと考えられるので、付喪神的ではありません。
では、ミミックはどうでしょう。
これは宝箱の姿形の魔物という事になっています。
まさに、付喪神的と言っていいでしょう。
ところが残念なことに、これはどうやらゲームの中で作り出されたもので、基となる伝説や神話などは無いようです。
どうも、付喪神的なものは日本以外では珍しいようなのです。
どうしてなのか
どうして日本だけ付喪神的なものがいるのか。
今のところの仮説はこうです。
日本と日本以外で自然に対する向き合い方が違うからではないか。
日本以外、特に西洋で顕著だと思うのですが、自然を征服する対象としてみている面があると思います。
その征服のために作り出したものが、道具やその他のものという事なのではないでしょうか。
それに魂が宿るというのが、考えらえないのかもしれません。
それに対して、日本では、自然は共存するものであり、八百万の神が宿っているものな訳です。
その自然の一部を使って作り出したものに、魂が宿るのはそれほど可笑しな事では無かったのでしょう。
何の根拠もない仮説ですが。
日本以外の自然と共存している地域でどうなのか、調べてみるのも面白いかもしれません。
ではでは