ヴァイキングと太陽活動について考えた話です。
久しぶりの
ヴァイキングに関するドキュメンタリーを観ました。
色々な内容があったのですが、最も驚いたのはヴァイキングと言われて最初に思いつく次のようなあの兜についてでした。
ヴァイキングといえば、このような角の付いた兜と相場が決まっています。
が、なんとこれは、後世になって作り上げられたステレオタイプらしいのです。
その証拠に、ヴァイキングの物とされる遺跡からは、これまでにこのような兜が出て来た事はないとのことでした。
という事は、あの『小さなバイキングビッケ』のビッケは、本当は角突きの兜なんかかぶっていなかったのです。
というショックなことも有りましたが、番組を見ながら、ヴァイキングの活動についても太陽活動関係がありそうだと気が付きました。
という訳で、今回は久しぶりに例の図が出て来ます。
ヴァイキングの活動
ヴァイキングというと、ヨーロッパの沿岸地域を特徴的な形の船で襲ってくる武装集団という印象ですが、実際には普通に農業や漁業もおこなっており、船を使った交易を行っていた人々だったようです。
それが700年代に入ってから、略奪行為が始まったようです。
歴史的には、793年の北部イングランドのリンデスファーン修道院襲撃がヴァイキング時代の始まりとされています。
さらに、略奪行為だけではなく、各地に移住も行っていきます。
そのもっとも有名なのが、西フランク王国から領土を与えられたノルマンディー公国でしょうか。
ヨーロッパ沿岸だけではなく広く大西洋にも進出し、900年代終わりにはグリーンランドにも入植が始まります。
しかしながらグリーンランドの入植地は、15世紀で全滅してしまいました。
更には、北米にも到達していたことが、遺跡などから確認されているようです。
最終的には、各地への土着化が進んだことなどから、13世紀頃までにいわゆるヴァイキングは消滅したと捉えられています。
太陽活動から見ると
以上のヴァイキングの活動を、いつもの図と比べて考えて見ます。
先ず、略奪行為が始まった700年代ですが、中世極小期付近の時代だという事が分かります。
元々普通の生活をしていた人々が、中世極小期による気候変動の影響で生活が困難になり、略奪行為に走ったと考えられそうです。
その時に、元々交易に使っていた船を利用したことで、いわゆるヴァイキングが誕生したのです。
その後の中世極大期への気候の回復の中で、略奪だけではなく、各地への移住が行われたという事になります。
この時期は温暖期で有り、その為グリーンランドなどへの入植も行われたと考えられます。
グリーンランドは、本当に緑豊かな土地だったのかもしれません。
残念ながらこの入植地も、次のシュペラー極小期に伴う気候変動で全滅してしまう事になりました。
久しぶりでしたが、やはり太陽活動と歴史は興味深いです。
ではでは