火星シリーズについての話です
火星シリーズ読みました
以前の記事で、4月の緊急事態宣言の時に(今回は、すでにその時の状況をはるかに越えてしまっていますが、何とか収束してほしいものです)、どうせ家にこもっているならばと始めた部屋の片付けで、私のSF読みの原点となった、E・R・バローズの「金星のプリンス」を見付けた話をしました。
そのなかでも書いたのですが、同時に同じバローズ作の「火星シリーズ」全16巻も見付けました。
何十年ぶりかで読んでみたわけですが、さすがにほぼ内容は忘れていたので、結構楽しめました。
やっぱり、「火星シリーズ」は「ターザンシリーズ」(そうなのです、あのターザンも、原作はバローズだったりします)と並んで、バローズの傑作だと思います。
あらすじとも言えないあらすじ
読んだことのない人の方が多いと思いますので、一応、内容を説明しておきたいと思います。
アリゾナでインデアンに追いつめられ、絶体絶命となった、南軍の大尉ジョン・カーターが、突然火星にテレポーテーション(としか思えない状況で)されるところから始まります。
彼が転送された火星は、四本腕の獰猛な緑色人,地球人そっくりの赤色人などが,それぞれの国に分かれ、覇権を争っている世界でした。
赤色人の絶世の美女「火星のプリンセス」を巡って始まる、血沸き肉躍る冒険活劇。
快男子カーターの運命やいかに。
火星の現実は
と書いて来ましたが、いかんせん舞台が火星というのがどうよ、と読みながら思ったりもしたのです。
いまや、火星には、複数の探査機が着陸し、探査ロボットも走り回っています。
勿論、探査ロボットのカメラをのぞき込む、緑色人なんかはいない訳です。
という事なので、どうしても、読みながらその事がちらちらと頭をよぎってしまう事になり、今一つ入り込めない気もしたのです。
勿論、何十年か前に初めて読んだ時にも、すでにマリナー9号が、1971年に火星表面の写真を撮った後なので、運河なんか無い事も分かっていたのですが、そこは少年の想像力のなせる業だったのか、ハラハラドキドキしながら読んだ覚えがあります。
この辺りが、年を取るという事なのか、想像力よりも理屈が先に来るようになってしまったようです。
こう考えれば
そんなことを考えていたら、現在の火星の状況と、「火星シリーズ」の折り合いをつける方法を思いつきました。
上にも書いたように、ジョン・カーターはテレポートのような形で火星に行くのですが、その時の状況は、「一瞬、猛烈な寒さと暗黒が訪れた」と表現されているだけで、具体的な内容はほぼありません。
そこで、この火星への行程を、空間的だけではなく、時間的にも行ったと考えるのです。
カーターは、過去の火星へ行ったのです。
最近の探査によれば、過去の火星には水も空気も存在していたようなので、その頃に行ったと思えばいいわけです。
スターウォーズと同じ様な背景設定で行こうという訳です。
まあ、こんな屁理屈をこねなくても、十分面白いと思うので、良かったらどうぞ。
そのうち、探査ロボットが、4本腕の化石を見つける、わけは無いか。
ではでは