横から失礼します

時間だけはある退職者が、ボケ対策にブログをやっています。

人体はネットワークなのか

人体のネットワーク構造について考えてみた話です

 

 

神秘の巨大ネットワーク

 「シリーズ・人体・特別版・神秘の巨大ネットワーク」の再放送というのを、BSで見ました。

私たちは、自分で考え、意思決定して日々生きています。(本当は違うかもしれないですが、それはまた別の問題です。)

そして、その考え、意思決定は脳で行っていると考えられています。

そのため、意志を体現する体についても、脳がコントロールしていると考えられて来ました。

しかし、最近になって、全てを脳がという訳では無く、臓器間での情報のやり取りも、コントロールの一部を担っている事がわかって来たというのです。

その事を持って、「神秘の巨大ネットワーク」と呼ぶという事のようです。

今日の番組の中では、臓器として、脂肪、筋肉、腎臓、骨が取り上げられていました。

脂肪の場合

 例えば、脂肪に関する話では、脂肪は脂肪細胞に貯め込まれる訳ですが、その脂肪細胞は、脂肪を貯め込むだけでなく、レプチンという物質を出すことに拠り、食欲をコントロールして、脂肪が過剰になるのを防いでいることが分かったといった具合です。

あたかも、脂肪細胞が意志を持って、レプチンを出したり、出さなかったりしているという訳です。

そして、レプチンに、「食べ過ぎだよー」という情報が乗っていると取れる表現がされるのです。

その情報を、食欲をコントロールする部位が受け取って、食欲をコントロールするという訳です。

その結果、これまでは脳が、全てをコントロールしていると思われていたのが、各臓器も、ここでは脂肪細胞も、コントロールしていることが分かった、ということが語られます。

レプチンに情報は乗っていない

 しかし、これはチョット考えすぎじゃないかと思うのです。

そもそも、この場合では、脂肪細胞に意志があるかのように考えるのはどうかというのも有るのですが、それ以前に、脂肪の過剰を他の組織に知らせる意味が無いように思うのです。

脂肪細胞において、脂肪の過剰が問題になるのであれば、脂肪細胞そのものが、脂肪をそれ以上貯め込まないようにすればいいだけの話ですよね。

レプチンは、脂肪が過剰だという事を知らせるために作り出されたものでは無いという事です。

では何なのかと言うと、レプチンは、単に脂肪を取り込む過程で発生した、代謝産物なのではないかと思うのです。

沢山の脂肪を取り込むと、その代謝産物としてのレプチンも沢山出来て、血液中に放出される。

その量を、食欲をコントロールできる部位が検知して、結果として食欲がコントロールされているのだと考えられます。

決して、脂肪細胞がコントロールしているのではないのです。

代謝産物が血管中に放出されると考えれば、他の臓器からも様々な物質が出て来ることも、各臓器の働きが異なる事で説明出来そうです。

異なる働きからは、異なる代謝産物がという訳です。

人体システムのイメージ

 なので、体内のシステムをネットワークと捉えるとしても、メールのような、特定の相手との間で情報がやり取りされているようなものでは無いという事になります。

むしろ、イメージとしては、回転寿司の方が近いのではないかと思います。

血管というレーンの上を、レプチンなどの各臓器から放出された物質が回っており、各部位が、必要なものを取り込んで、食べる代わりに、対応する反応を起こすのです。

こう考えると、我々の体は、独立した多数の部位が(極論を言うと、脳も含め)、回転ずし方式のネットワークによって、結果的に協働しているシステムのように思えます。

そういう意味では、脳が全てをコントロールしているのではないというのは、間違っていないという事になるかもしれません。


 じゃあ、どうしてそのように出来上がったのかというと、これがまた更なる難問な訳ですが。


ではでは