横から失礼します

時間だけはある退職者が、ボケ対策にブログをやっています。

ジャケ買いした本

 昔、思わずジャケ買いした本があったという話です。

 

 

押入れの奥から

 とうとう、緊急事態宣言が出される(公式には、発出と言うんですね、こういう時は)事態になってしまいました。

とは言っても、私の場合、もう通勤はしないので、頑張ってる方々には申し訳ないほどの、現状なんですけどね。

それでも、さすがに買い物以外の外出をほとんどしなくなり、時間が出来がちなので、これまでやろうと思っていて後回しにしていた、部屋の片づけなんぞをする事にしたのです。

そうしたら、押入れの奥から、思わぬものが出て来ました。
その昔、若かりし頃に読んでいた本が出てきたのです。
てっきり、処分してしまったと思っていたので、嬉しい驚きでした。

ジャケ買いした本

 私の好きな小説のジャンルは、SFなんですが、出て来た本の一冊は、そのきっかけとなった本です。

それは、E・R・バローズの「金星の海賊」という作品です。

どのような状況で、この本を手に取ったかは、もう忘却の彼方となってしまいましたが、なぜ買ったのかというのは、今でもはっきりと覚えています。
それは、カバーの絵柄の虜になったからです。
いわゆるジャケ買い(本もこれで良いんでしたっけ)をしたわけです。

そのカバー絵がこれです。

f:id:t_arata:20200413192239j:plain

引用元:武部本一郎(Motoichiro Takebe)

この絵を描いたのは、SFファンタジーの挿絵に関しては、いまだに右に出る者は居ないと思っている武部本一郎氏だったのですが、当時はまだそんなことは全く知らずに、彼の描く美女に魅入られてしまった訳です。

色々知り過ぎてしまった今見ても、というかそれだからこそ却ってとも言えますが、なかなか魅力的な絵柄だと思うんですけど。

で、買って帰って、読み始めたら止まらなくなって、その週末ずっと読んでいた記憶が有ります。
その後、E・R・バローズ、E・E・スミスエドモント・ハミルトン辺りを読み漁ってSFにどっぷりとはまり、今に至るという事になります。

他の出版社からも

 ところで、この「金星の海賊」は創元推理文庫から出ているのですが、後に、同時期に角川文庫からも「金星の大海賊」という名前で出ていたことを知りました。
そのカバー絵がこれです。

f:id:t_arata:20200413192557j:plain

引用元:Pirates of Venus(1934)

もしあの時に、手に取ったのがこちらだったとしたら、今SFにそれほど入れ込んでいないかもしれないですね。

最近のSF本の表紙は、メカニカル系のかっこいいのは増えているんですが、武部本一郎氏のような、情感も含めてセンスオブワンダーを感じさせるようなものが、少ないような気がするんですよね。
まあ、それだけ武部本一郎氏が凄かった、という事も言えるんですけども。

結局それ以降、ジャケ買いするようなカバー絵には、これまでのところ出会っていないですね。

 


 金星シリーズ全5巻、火星シリーズ全11巻が出て来たので、私の緊急事態宣言対策は、当面これらの再読で行こうと思っています。
それで足らなかったら、レンズマン、スカイラーク、そしてキャプテンフューチャーも一緒に発掘されたので、困ることは無いでしょう。
という事で、部屋の片づけは、再びお預けということになりそうです。

 


 ではでは