人体のネットワーク構造について考えてみた話の続編3です
前回までの話
前回までの話は、BSで観た番組から、人体のネットワークについて考えた話でした。
人体のネットワークとは、各臓器の間でメッセージをやり取りして成り立っており、そのメッセージを運んでいるのが、各臓器の細胞から出て来るエクソソームと呼ばれる顆粒であるというものでした。
しかし、エクソソームは、インターネットで言うところの、情報をセットされたパケットのようなものではなく、各細胞から代謝産物を廃棄するためのゴミ袋のようなものだという話でした。
単細胞生物からも出ている
このエクソソームですが、実は我々人間のようないわゆる多細胞生物だけではなく、単細胞生物からも作り出されていることが分かっているようです。
このことをみても、エクソソームがネットワークの情報の運び屋として作り出されてはいないことは明らかでしょう。
単細胞生物はその名の通り単一の細胞で構成されているわけですから、情報を送らなければいけない他の臓器のようなものは、そもそも存在しないですからね。
やはり、エクソソームそのものは、各細胞で生じた代謝産物の詰まったゴミ袋と考えるのが良い様に思われます。
情報の受け側はどうなのか
という事で、エクソソームはゴミ袋として細胞から出て来るのですが、それから情報を得ている受け側が有るのも、また事実です。
前回までの、血管の進展を誘導したり、免疫システムを迂回するガンの話でも分かるように、ゴミ袋の中身を利用しているという現実があるのです。
この辺りに関しては、今のところ、そのように進化してきたとしか言いようがありません。
ただ、その進化が起こった時期について考えると、面白い可能性が有りそうなのです。
単細胞生物にもあれば
その進化の時期が、我々人間の体のような複雑な多細胞生物を形成する途上ではなく、それ以前だと考えて見ましょう。
多細胞生物より前という事なので、それは単細胞生物の時という事です。
上で書いたように、単細胞生物からもエクソソームが生成されている事は分かっています。
それを、単細胞生物自体が、多細胞生物のように利用しているとするとどうでしょう。
ざっと調べた限りでは、そういった事が有るのかどうかははっきりしませんが、特に否定する情報も無いようです。
もしエクソソームを利用する機能が単細胞生物にもあれば、使い道はありそうです。
例えば、周囲の環境がいい所に居る単細胞生物から出たエクソソームの濃度の高い方に移動すれば、自らも良い環境で生き延びられる、といったように。
単細胞生物の間につながりが出来る事になります。
それが、単細胞生物から多細胞生物への第一歩という事はないでしょうか。
その結果、我々の体の中でも、エクソソームが利用されているという訳です。
ゴミをバカにしてはいけないという話でした。
ではでは