英文を一つの文型で説明出来るという本の話です。
分かり難い英文法
このブログでよく出て来るように、対象を全体像から部分へ順繰りに理解して行きたいと考えている私は、現状の英文法も、その辺りが分かり難いと思っています。
そのあたりについて、記事にも書いています。
残念ながら、その後もあまり進展はしていませんでした。
ところが最近読んだ阿川 イチロヲ『単純すぎるよ! 英文法~7つの「パーツ」でまるごと分かる~』(アルク)という本が、結構そのあたりが解決出来そうな内容だったので、紹介したいと思います。
先ず現状の英文法の分かり難さについて、本の内容を参考にしてに考えて見ます。
5文型が全体像の基本?
英文法の用語に5文型というのが有ります。
恐らく、数ある文法用語の中でも、知名度の高さという点では、3単現のsと双璧を成すと思われます。
現状の英文法を学ぶ上で避けて通ることは出来ません。
ご存知のように、英文は第一文型SVから第五文型SVOCまでの5つの形で出来ているいるというものです。
5つの文型で出来ているというわけですから、その構成要素の、S,V,O,Cのそれぞれについて、掘り下げていけば良いんだと考えるわけです。
5文型から部分へ掘り下げる
先ず、S(主語)は日本語の~は/がに当たる語で、主に名詞です。
その名詞には、日本語と違って単数、複数や、数えられる、数えられないという概念が有り、冠詞というものがつくこともあります。
単数、複数、数えられる、数えられない、冠詞のそれぞれの内容は...
というように、理解が進んでいけば、途中で何を学んでいるか分からなくなって、迷子になってしまう事も少なくなりそうじゃないですか。
ところが、そうはいかないのです。
修飾語(M)ってなんだ
例えば、
We played tennis. (私たちは テニスを しました。)
この文は、日本語の「テニスを」に相当する”tennis”を目的語と考え、SVOになりますから第二文型という事になります。
ところが、次の文はどうでしょう
We waited for Chihiro. (私たちは チヒロを 待ちました。)
"for Chihiro"も、日本語では「チヒロを」と同じように訳せるので、SVOなのかというと、そうではなくSVの第一文型なのです。
"for Chihiro"は目的語では無いのです。
では何なのでしょうか。
このような前置詞(この場合は"for")+名詞は、目的語としては考えずに、修飾語(M)と考えるのです。
修飾語(M)ってなんだ。
どこで、いつ、どのように使ったらいいんだ。
だいたい5文型の構成要素の中に無いじゃないか。
5文型では説明できない
この時点で、英文が5文型で出来ているという前提は崩壊していると思うのは、私だけでしょうか。
こういう感じで、迷子になってしまう訳です。
こういった事を感じてなのかどうかは分かりませんが、様々な文法が提案されているようです。
残念ながら私個人的には、これまでの所これだというものに出会いませんでした。
といって、自分で考え出す事も出来なかったのですけどね。
ところが、上記の本の内容が、これはというものだったのです。
7つの「パーツ」
さて本の内容についてですが、先に挙げた題名の「7つの「パーツ」でまるごと分かる」が全てを表していると言ってもいいでしょう。
皆さんもご存知のS,V,O,Cの4つに、著者の考えた3つのパーツ、「独立M」、「後ろM」、「同格語句」で、7つのパーツとなります。
勿論それぞれの内容についてここで詳しく触れることは出来ないので、本で確認していただきたいのですが、注目すべきは、この7つのパーツを使えば、英文を一つの型で説明出来るという点です。
しかも、分詞、不定詞、動名詞、関係代名詞などの迷子になりそうな文法内容についても説明可能なのです。
にわかには信じられない話ですが、私個人的には納得出来ました。
しばらくこの本の示す7つの「パーツ」と一つの文型を、英文の全体像の基として、英文法の各項目を勉強し直してみようかなと思っています。
隔靴掻痒となりましたが、久しぶりに英語関連で驚いたという話でした。
ではでは