ソフト開発環境Delphiの話です。
ボーランドとTurbo Pascal
Delphi(デルファイ)というアプリケーションの開発環境をご存知でしょうか。
元々は、ボーランドという会社から出ていた、Windows用の開発環境でした。
ボーランドと言うと、まだWindowsなどというものは無く、CPUも8ビットの時代に、Turbo Pascalという、伝説的なアプリケーションの開発環境を売り出した会社です。
その当時から、プログラムのソースコードの作成に使うエディタとコンパイラが一体となった、画期的な開発環境でした。
その後、Windows用にも発売がされました。
Delphi
そして、その後継として1995年に開発されたのが、Delphiということになります。
使用言語は、Object Pascalの拡張版です。
2001年発表のDelphi6になって、無償版が設定されたことに拠り、フリーソフトの作成によく使われていたようです。
私は、その頃には、ExcelとAcsess、たまにVisual Basicを使っていたので、Delphiに関しては、面白そうだけど、手が回らないという状況だった様に記憶しています。
その後のバージョンで、無償版が設定されなくなったことや、マイクロソフトからC++などの無償の開発環境が出されたことなどから、徐々に忘れられていきました。
私も、その存在をすっかり忘れていました。
再び無償版が
ところが最近になって、最新版Delphi 10.3 Rioに無償版が設定されていることを知りました。
と言っても、発表そのものは2018年で、私が知らなかっただけですが。
しかも、元々Windows用のアプリ開発用だったのですが、最新版では、それに加えて、MacOS、iOS、Android、LinuxとメジャーどころのすべてのOSに対する開発が出来るようになっているではないですか。(開発そのものは、Windowsの動いているPC上で行う必要があります。)
しかも、それぞれのOS用に開発するのではなく、単一のプログラムソースで、すべてのOSに対する実行ファイルを作成出来るという事です。
無償ですが、機能的には全くの制限なしのフルセットのようです。
加えて、作成したソフトを配布、販売しても良いという、太っ腹ぶりです。
ただし、年間5000ドル以上の売り上げが有った時には、有償版への切り替えが必要なようです。
一度のインストールだけで
以前の記事で、新しい言語を始めるのに、その開発環境を整えるのがめんどくさくなって来たと書きました。
で、今回もしばらく何もしなかったのですが、ネット上の情報を見ていると、一度のインストールで、全ての環境がセットされるようだったので、セットしてしまいました。
久しぶりに、新しい言語を使ってみたくなったのです。
Delphi 10.3 Rio Release 3 Community Edition(無償版の名称です)は以下から入手できます。(買収によって、現在はエンバカデロ・テクノロジーズの製品となっています。)
チョットいじってみた所では、Delphiそのものは、最初から、部品をマウスでDrag & Dropすることで、GUIアプリを作成する形の開発環境なので、Visual Basicとよく似ていることもあり、私的には馴染みが有って、なかなか面白いです。
しばらく遊べそうです。
Delphiの機能については、私が下手な説明をするよりも、以下のドキュメントを見てもらった方が手っ取り早いと思います。
Delphi で始めるビジュアルプログラミング
それにしても、一つのソースコードで、全てのOS用の実行ファイルが作れるというのは、結構インパクトが有るのではないでしょうか。
再び、Delphiがフリーソフトの開発に使われるようになるかもしれません。
ではでは