クフ王の大ピラミッドに見つかった、謎の空間の正体についての話です。
謎の空間
かなり旧聞に属しますが、2年ほど前に、クフ王の大ピラミッドに謎の空間を見つけたと、名古屋大などの研究グループが、発表しました。
宇宙から降り注ぐミュー粒子を使って、レントゲン写真を撮るように(レントゲン程鮮明ではないみたいですが)、ピラミッドを撮影したところ、大きな空間とみられるものが写っていたというものでした。
発表以来、クフ王の玄室でミイラが眠っている、を始めとして様々な説が考えられています。
私も、仮説を思いつきました。
建築家の考えた大回廊の正体
上の画像に、王の間と、重量軽減の間というのが有るかと思いますが、ここを構成している石材は、重いもので60トンと言われています。
これ程大きな石を、どうやって運び上げたのかは、一つの謎です。
ちなみに、ピラミッドに積み上げられている石の平均的な重さは2.5トンと言われています。
フランス人の建築家、ジャン・ピエール・ウーダンは、これに大回廊が使われたと考えました。
現代のエレベーターのように、釣合いおもりを使って60トンの物を持ち上げたのではないか。
そして、そのおもりが、大回廊の中を上下していたのではないかと考えたのです。
模式図を挙げます
画像引用元:ピラミッドの建造方法|古代文明の謎
大回廊自体も、何のためのものか、議論のあるものですが、建築家らしい説で、なかなか説得力のある案だと思います。
謎の空間の正体
なかなかの案ではあるのですが、問題もあります。
上の図でもわかるように、王の間、その上の重力軽減の間と、大回廊の位置関係を見ると、王の間はともかく、重力軽減の間の石材を運び上げるには、無理があるように思えます。
今回発見された謎の空間は、最初の図を見ると、赤くはっきりと書いてありますが、実際に分かっていることは、
長さは最低でも30メートル
水平か斜めかは不明
位置は大回廊の上
断面形状は分からないが、面積としては大回廊と同程度
とのこと。
これは、素直に考えると、大回廊の上にもう一つ大回廊が有ると、言っているように思えますよね。
という事で、私の仮説は、謎の空間は、もう一つの大回廊であり、重力軽減の間の石材を運び上げるために使われた、というものです。
現在発見されている大回廊の長さは、47.84メートルです。
謎の空間の長さは、30メートル以上と、少し短いように思えますが、これは、使い終わった釣り合いおもりを、そのまま最下部に残したために、短く写ったのだと考えれば、符合しそうです。
残念ながら、謎の空間には、埋葬品も、王のミイラも無いことになります。
ではでは