ジェイムス・ウェッブ望遠鏡の設置場所の話です
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡について
前回の話は、ジェームズウェッブ望遠鏡(以下JWST)の話でした。
その性能の良さから、これまでの理論では説明できない観測結果が得られ始めているという内容から、無理矢理「聖と闇の戦い」まで引っ張ったバカ話でした。
そのJWSTに関しては、記事を書いた後でなんですが、性能の良い新しい宇宙望遠鏡が打ち上げられるんだぐらいの感じでした。
そもそも天文関係に関しては、星とか銀河とかいったものよりも(勿論興味がないわけでは無いですが)、宇宙人や星間帝国のようなSF的な興味の方が先に立つので、望遠鏡といったものにはそこまで食指が動かないんですよね。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の設置場所
それで、確か初めてJWSTの撮った写真が公開されましたという内容のニュースだったと思うのですが、そうなんだという感じで、何とはなしに聞き流していた時に、チョット引っ掛かったんですよね。
JWSTが地球から150万キロの地点に設置された、というように聞こえた気がしたのです。
その瞬間、聞き間違えたかと思いました。
150万キロというのは無いだろうと。
何しろ、月までが38万キロですから、その4倍弱の距離ですよ、いくら何でも遠すぎるでしょと。
ならば150キロの聞き間違いかとも思ったのですが、これはこれで今度は近すぎます。
あのハッブル望遠鏡で560キロぐらいの所を回っているはずです。
150キロでは、宇宙の入口も入口で、そんなところに設置する意味があまりなさそうです。
それどころか、直ぐに落ちてきそうです。
という訳でさっそく調べてみると、なんと150万キロが正解でした。
勿論、理由が有りました
勿論、そんな遠くにわざわざ設置するには、それ相応の理由が有りました。
そもそも、性能の良い望遠鏡という事なので、遠くの天体を観る事になります。
遠くの天体は、その光量も非常に少ないのです。
そうなると、近くに明るいものが有ると、遠くの天体からの弱い光が消されてしまいます。
この場合近くの明るいものというのは、太陽と地球になります。
これらの光を避けるには、常に太陽と地球の反対の方向に向けておけば良いという事になります。
そのために採用されたのが、ラグランジュポイントで150万キロの距離だったのです。
ラグランジュポイントというのは、太陽と地球のように2つの天体が有る時に、その重力が釣り合う場所です。
そこに、今回のJWSTのようなものを置くと、どこかに飛んで行ってしまうようなこともなく、安定するのです。
そのラグランジュポイントは、次の図のようにL1~L5の5か所ある事が分かっています)。
黄色が太陽、青色が地球ですから、L2にLWSTを設置して、図の右の方に向ければ、太陽と地球の光の影響を受けなくて済みそうです。
図では地球のすぐ近くのように見えますが、実際には地球から150万キロの地点だったという訳です。
上手い事考えたと思うのですが、故障してもすぐに修理しに行くわけにいかないというのが欠点でしょうか。
設置場所の説明だけで終わってしまいましたが、次回はL2と言えばという話です。
ではでは