ヒトがリズムにのることについて考えた話です。
ヒトはなぜ歌うのか
番組表で「ヒトはなぜ歌うのか」というのを見つけた時に、それはヒトが言葉を使うからだと反射的に思いました。
私の愛する演歌も歌詞が無ければ、あの世界観を感じることは無いでしょう。
それを歌うという事についても、話す延長だと考えれば良いんじゃないかと。
話すと一言でいっても、ピッチ、アクセント、長さなど変化させる部分は多くあり、その先に歌があると考えれば、言葉の使用こそがポイントなのではないかというわけです。
番組を観て
実際に番組を観てみるとその内容は、上で考えていたのようなものと少し違うものでした。
テーマの一つは、歌詞のある歌を歌うといったものではなく、もっと単純な「ビート(リズム)予測」についてでした。
ヒトは、ビート(リズム)が繰り替えされると、その先を「予測」するようになるのです。
いわゆる「リズムに乗る」という事かと思います。
番組では、どうしてヒトが「リズムに乗る」ことが出来るのかという点を考えていきます。
言語ではない
これまで、「リズムに乗る」ことの出来るのはヒトだけだと考えられてきました。
ところが、2009年にスノーボールという真っ白なオウムが、有名になります。
明らかに、ノリノリですよね。
ヒトに近いチンパンジーは、多少は可能なようですが、ヒトほど明確に「リズムに乗る」ことは出来ない様です。
さらに驚くことに、赤ちゃんでも「リズムに乗る」という事があるようなのです。
脳波を観察しながら、繰り返すドラムの音を聞かせて、ところどころで音を抜くと、その部分で脳波に変化が観測されたのです。
つまり、赤ちゃんは「リズムに乗って」おり、それを外された部分で反応したと考えられるわけです。
これらのことから、言語の有無以前のもっと本能に近い部分で、「リズムに乗る」という事が行われている可能性が示されたことになります。
二足歩行
ここまで番組を観て、一つの仮説を思いつきました。
それは、二足歩行が「リズムに乗る事と関係があるのではないかというものです。
ヒトも、オウムを含む鳥も二足歩行です。
チンパンジーは、完全ではないですが、二足で歩行することがあります。
その不完全具合が、可能だが人ほどではない「リズムに乗る」能力という事だと考えられそうです。
二足歩行との関係は
ヒトや鳥の二足歩行はの特徴として、普通に歩くときは「動歩行」だという特徴が挙げられます。
「動歩行」というのは、重心を滑らかに動かしながら移動するもので、前のめりに倒れ掛かりながら進んで行くように見える歩き方です。
言い方を変えると、次々に前に歩を進めないと前のめりになってしまうという事になります。
つまり、歩を進めるのに「リズム」が必要という言い方も出来そうです。
体の前方への倒れに合わせてリズムよく足を動かさないと、上手く歩けないのです。
これこそが、本能的に「リズムに乗る」ための機能が、ヒトや鳥に備わっている理由なのではないでしょうか。
ヒトは、二足歩行だから、歌うようになったのです。
この仮説からすると、カンガルーも「リズムに乗る」ことが出来そうなのですが。
ではでは