「酒は百薬の長」から考えた話です。
「酒は百薬の長」
お酒に関しては、飲んでいると頭が痛くなるので量もそれ程飲めないですし、若い頃はともかく今では付き合いで飲む程度になってしまいました。
なので、「酒は百薬の長」という言い方に関しては、所謂飲兵衛の言い訳だろうぐらいに思っていました。
改めて調べてみると、この言葉の由来は中国の歴史書『漢書』にあるようです。
その中に、「塩は食肴の将、酒は百薬の長、嘉会の好、鉄は田農の本」という形で出てくるようです。
ただしこの文言は、その時の皇帝が、塩、酒、鉄を専売にする時に、その理由として挙げられたもののようです。
これでは、本当に当時の社会で「百薬の長」だと思われていたのかは、断言できなさそうです、
最も、当時から専売にするほど酒も需要があったことは確かなようです。
取れるものからは、しっかりと取るというのは、今も昔も変わらないということです。
「よろずの病は酒よりこそ起れり」だが
たまに、「酒は百薬の長」と言う飲兵衛に対して、「よろずの病は酒よりこそ起れり」といった意味の文言で返されることがあります。
上手いことを言うなと思っていましたが、これの原典は吉田兼好の『徒然草』の「百薬の長とはいへど、よろずの病は酒よりこそ起れり」というもののようです。
やはり、昔から飲兵衛の言い訳だと思っていた人が多かったのでしょう。
それでも、現代にいたるまで「酒は百薬の長」という文言が生き残っているということの背景には、飲兵衛が絶えていなくならないということのほかにも何か理由はないのでしょうか。
飲酒の効能
飲酒量と死亡率との関係を調べた研究によると、「飲酒をする人」は長生きとするものもあるようです。
これはと思うのですがよく調べてみると、「全くお酒を飲まない人」や「大量に飲む人」に比べ、「適量の飲酒をする人」は長生きするということのようです。
結局、この「適量」というのがポイントになりそうです。
「適量」ならば体にはよさそうですが、過ぎれば悪影響があるということです。
現状では、悪影響の原因は摂取するアルコールの量にあると考えられており、それから逆算したお酒の「適量」というものが提唱されています。
「日本酒で1日1合から2合」、「ビールなら大びん1本から2本」とか言われています(飲兵衛には、つらい量なんでしょうね)。
アルコール以外の成分が
アルコールは体に悪いのですが、その他の成分(例えば日本酒だと700種類と言われています。)が体にいいということでしょうか。
しかし「適量」のアルコールで済ますのは難しい。
この矛盾を克服できそうな方法に思い至りました。
「酒粕」を食べるというのはどうでしょう。
「酒粕」は日本酒を絞った残りです、すべての成分が絞り出されるとは考え難く、日本酒に入っている成分+αが含まれていると思われます。
アルコール濃度は低く、さらに料理で加熱することで飛んでしまいます。
これでアルコールの量を気にせずに、体にいい成分を取れそうなのですが。
まあ、そんな理屈をこねなくても、酒粕鍋はおいしいのですが。
酒粕鍋をつついている時に思いついた話でした。
ではでは