がんとヒトの関係について考えてみた話です。
最初の記事
このブログの最初の記事は、TV番組「NHKスペシャル シリーズ 人体II遺伝子」を見て、その内容からDNAについて考えた話でした。
先日、その番組を再編集したものを、BSで見ました。
このシリーズで話の中心となる話題は、最初の記事でも触れているように、DNAにはまるで「スイッチ」のような仕組みがあり、その切り替えによって遺伝子の働きがコントロールされているというものです。
がんを抑える遺伝子とスイッチ
その例として、「がんを抑える遺伝子」というものが出て来ます。
その働きは、その情報をもとに「がんの増殖を抑える物質」が作り出され、がんが抑え込まれるというものです。
そして、この遺伝子に対する「スイッチ」に相当するものも、有ることが分かっているらしいのです。
がん患者のDNAスイッチの状態を調べたところ、そのスイッチがOFFになっている人が多くいることが分かったという事でした。
OFFになる必要はあるのか
この話に、チョット引っ掛かったんですよ。
そもそも、がんは、正確には解明されていませんが、何らかの原因によって細胞が異常な増殖をするようになり、最終的には、その個体を死に至らしめてしまうものです。
それに対して、その個体を死から守るために、「がんを抑える遺伝子」が進化したというのは理解が出来ます。
しかし、その「がんを抑える遺伝子」の働きをON、OFF出来るスイッチが有るというのは、どういう事なのでしょうか。
常に、ONの状態でいいじゃないですか。
OFFに出来るという事は、有る条件下では、がんが容認されているとも考えることが出来るわけです。
スイッチの条件
現状研究途上ではあるようですが、食事や運動などによって、スイッチが切り替わることが分かって来ているようです。
必要以上の食事と、少なすぎる運動が、スイッチをOFFにしているようなのです。
この事を、狩猟採集をしていた、ご先祖様の生活で考えてみると、どうなるでしょう。
一言で言うと、「働かざる者食うべからず」でしょうか。
運動、すなわち狩猟採集を行わなず、必要以上の食料を消費する者は、種の存続にとって不都合なわけです。
その為、がんを抑える事を止めることで、そういった個体を最終的には排除するように進化したということではないでしょうか。
とは言っても、現在がんで闘病している人たちが、そうだと言っているわけではありません。
これは、ひとえに現代の生活が、必要以上のカロリー摂取と運動不足をもたらしているために、スイッチがOFFになり易くなっていることを示しているのではないでしょうか。
結局、やはり適度な食事と運動が大事だということでしょうか。
がんは速攻性ではないので、改善する猶予が与えられているとも、考えられる訳ですから。
ではでは