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狗邪韓国について(前編)

狗邪韓国の位置について考えた話(前編)です

 

 

狗邪韓国は倭か韓か

 狗邪韓国は、『魏志倭人伝』に記されている、邪馬台国までの旅程の中で、最初にに出て来る倭(倭人)の国です。

その部分の原文と日本語訳を引用します。

「從郡至倭、循海岸水行、歷韓國、乍南乍東、到其北岸狗邪韓國、七千餘里。」

「郡(帯方郡)から倭に到達するには、海岸に従って水行し、韓国(馬韓)を経て、あるいは南へ、あるいは東へ進み、その(=倭国の)北岸の狗邪韓国(くやかんこく。伽耶加羅・金海)に到達する。(帯方郡から隔たること)七千余里。」

引用元:魏志倭人伝 - Wikipedia

最初に出てくる倭(倭人)の国だと書きましたが、この辺りは議論の有るところとなっています。

問題は、「到其北岸狗邪韓國(その北岸の狗邪韓国に至る)」という記述に有ります。

「その北岸」をどのように解釈するかによって、狗邪韓国の立場がまったく逆になってしまうのです。

1.文字通り、倭の北岸と考えて、狗邪韓国が倭の北の端の国だとする。
  つまり倭の国。
2.北岸を倭の北の対岸、または倭の海の北と接する海岸と考える。
  つまり韓の国。

狗邪韓国は、倭なのでしょうか、韓なのでしょうか。

韓伝から考えると

 『魏志倭人伝』は、正確には『三国志』中の「魏書」第30巻「烏丸鮮卑東夷伝倭人条」の略称なのですが、東夷伝の中には、韓について書かれた部分(以下『韓伝』)も当然存在します。

その『韓伝』には、当時の朝鮮半島の国について次のように書かれています。

「韓には三種あり、一に馬韓、二に辰韓、三に弁韓。」

引用元:魏志倭人伝 - Wikipedia

馬韓辰韓弁韓」の三国に分かれていると言っている訳です。

もし狗邪韓国が、韓なのであれば、ここに記述が無ければならないはずです。

それが無いという事は、狗邪韓国は倭の国だという事になります。

北岸と言うからには

 狗邪韓国が倭の国という事は、北岸の意味するところは、倭の北岸だと言えそうです。

さらに、北端とかでなく、北岸と書いているからには、やはり実際に北の海岸だったという事なのでは無いでしょうか。

朝鮮半島の南部で、北側に海岸が有るという事なので、陸続きではあり得ません。

ではどう考えるのかというと、朝鮮半島の南に有る島だと考えれば条件を満足しそうです。

島の北側の、朝鮮半島に面した側の海岸だと考えるわけです。

更に、そこから1000里の海を渡ると対馬に至るのですから、単里で考えれば、対馬から約70キロ程度の距離にある島という事になります。

地図でこれらの条件に合う島を探して見ると、どうやら巨済島が当てはまりそうです。
 

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引用元:https://www.sankei.com/gallery/20170410-SDNMIP45MZKAJO2QV5W2U6RSPQ/

 

私的には、狗邪韓国は巨済島に有ったというのが結論です。


 理屈は通っているように思うのですが、実は巨済島だとすると、上記の『韓伝』の他の記述と矛盾すると言う問題が有ります。
そのあたりは次回に。


ではでは