囲碁と将棋について考えた話(全体像終盤編)です
終盤はどこから
このシリーズも最後の終盤という事になります。
ここでも、中盤と同様にどこからが終盤なのかという事から考えてみたいと思います。
中盤のように考えると、中盤が終わったところから終盤が始まるという事になります。
当然、中盤は何処で終わるのかという問題に帰着します。
将棋では
ここでも、同様に将棋から考えてみます。
と言いたいところですが、これがなかなか難しいのです。
今回改めて将棋の終盤をどう説明しているのか、いくつかのサイトで見てみたのですが、概ね「お互いが相手玉への攻めていく段階のこと」といった感じでした。
これは、分ったようで分からない説明では無いでしょうか。
そもそも、将棋は相手玉を取ることを目指しているゲームなので、全ての手が相手玉への攻めの一環だと言えば言えそうです。
例えば、私は、囲い崩しを中盤の攻防の一環と捉えています。
ところが、囲い崩しを終盤の入口と説明しているサイトもあるわけです。
人によって、捉え方が違うと言っても良いように思われます。
囲碁では
それに対して、囲碁の方は、もう少し分かり易いと言えそうです。
囲碁では、「ヨセ」を行うのが終盤という事でいいと思います。
では、どうなったら「ヨセ」に入るのか、つまり中盤が終わるのかは、言葉で詰明すると比較的明確です。
自らの陣地を広げるために相手の石を攻め、陣地を狭められないように守るのが中盤でした。
という事で、これ以上攻めたり守ったりするところが無くなった時点が、中盤の終わりで、そこからヨセに入る事になります。
「ヨセ」とは
では「ヨセ」とは何か。
囲碁の「ヨセ」は、最終的に境界線を確定させる作業という事になります。
前々回の理解阻害編で、完全に囲わなくても陣地になった(地になった)と考える事が出来るので、その時点でほかの地点の攻防に移るといった内容について書きました。
そして、対戦が進んでこれ以上攻防する場所が無くなったという局面になります。
その時点では、上に書いたように、まだ地になったと考えているだけの部分があるので、そこの部分の境界線を定めて、最終的に囲って行く作業が、「ヨセ」という事になります。
「ヨセ」はテクニカル
そして対象が境界という事で、その形態も有る程度限られることになるようです(よく分からずに書いています)。
複数の「ヨセ」が有る場合に、どこからヨセるのかといった問題も有るようですが、これもある程度理屈で対処できるようです。(さらに分かりません)。
という事で、「ヨセ」はどちらかというとテクニカルな問題になり、そのあたりを学んでいくことになります。
そのため、プロ同士の対戦などで、「ヨセ」の段階になると、鬼のような速さで打つといった事が見られたりします。
そしてここでも、理解阻害編でも見たように、地の確定には最善の手を打つことが前提になっているので、詰碁と手筋の技能が重要になるのです。
結局、理屈では分かっていても、実際にそれを判断して対処出来るようになるのは、それなりの訓練が必要だという良くある話なのでした。
以上で終盤は終わりです。
次回は、全体像をまとめてみたいと思います。
ではでは