囲碁と将棋について考えた話(全体像理解阻害編)です
中盤の前に
前回までで、囲碁の序盤についての捉え方と学ぶ方向性については一応終わりました。
今回は本来ならば中盤についてという事になるのですが、その前に、もう一つ考えておきたいことについて書きたいと思います。
前回までの記事に絡んで「布石」、「定石」について調べた訳なんですが、その中で考えた、囲碁の入門者が分からなくなる理由の一つでは無いかと思った点と、それに対して何を学べば良いのかという話になります。
ケイマでシマリにコスミ
「布石」について調べていると、次のような打ち方が出て来ます。
これを、言葉で説明すると、「星に、ケイマでシマリを打って、さらにコスミに打った形」とかになり、「星小ゲイマジマリにコスミ」と呼んだりするようです。
その後にありがちな解説が、「これで隅の地(陣地)が確定したので」や「隅が治まりました」と言った感じのもので、さらに「この後、他の隅や辺に向かいます」と続いたりします。
名称が分かっても
ここで、用語とかは関係なく、石の配置だけを見て納得出来たり、用語の意味を調べて、石の配置と照らし合わすことで納得出来て先に進めれば問題は有りません。
私などは、用語の意味を調べて照らし合わせても、どうしてこの石の配置で地が確定するのかが分からず、気になって先に進めません。
この辺りが、入門レベルの人間には囲碁がとっつきにくいと思う理由の一つではないかと思うのです。
どう見ても、左上の隅の部分には、白が石を打てるところがあるじゃないでか。
それでも、他に回っても大丈夫と考えるのはなぜか、そのあたりをハッキリしたいのです。
なぜ地が確定なのか
と考えていたら、そのあたりを説明してくれているサイトを見付けました。
それが、上図の引用元のサイトです。
どうして、3つの石だけで左上の隅が地なのかは、その記事を読んで見て下さい。
結論的には、白が打ってきても、双方最善を尽くすと下図のように、白は最終的に全て取られる形になり(死んでいると呼びます)、結果として黒の地になるので、3つの石を打った時点で黒の地とみなすという事なのです。
理屈は分かったが
という訳なんですが、まだまだ問題が残ります。
「最善を尽くすと下図のように」、「白は最終的に全て取られる形になり」という部分です。
結局、何が最善か分からないといけないですし、図のようになった時点でなぜ白は取られることになり、その結果黒の地になるのかも分からないといけないのです。
今回のパターンでは、引用元の記事で懇切丁寧に説明されているのでいいのですが(他にも分かり易く説明している記事が多く、このサイトはお勧めです。)、他にも出て来る同様なパターンを全て覚えるというのは、現実的ではありません。
「手筋」と「詰碁」の問題
そのために考えられたのが、「手筋」と「詰碁」の問題という事のようなのです。
「手筋」の問題は、局所的な最善手を見出せるように(と私は捉えています)、「詰碁」は、取られてしまうかどうか(「死活」と呼びます)を判断出来るように、それぞれ訓練するための問題となります。
しかも、囲碁が、地を作って、その大きさを競うゲームで有る以上、今回のような状況は、序盤、中盤、終盤全てで頻出する事になります。
全体像に基づく勉強のほかに、ベースとなる技能の訓練としての「手筋」と「詰碁」の問題を解くことが必要だという事です。
奇しくも、将棋にも「手筋」と「詰将棋」という、同じような形式のものが存在しており、興味深いところです。
以上、「手筋」と「詰碁」の問題を解くことが重要だという事を、自分に納得させるための話でした。
次回は、本線に戻って、中盤の話のはずです。
ではでは