宇宙探査について考えてみた話です。
「はやぶさ2」と「みお」
昨年の年末に、「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から見事にサンプルリターンを成功させました。
その後、「はやぶさ2」は次の小惑星へ向かうべく飛行を続けています。
その到着予定は、なんと2031年7月だそうです。
その他にJAXAが関係しているものに、水星の探査を目指している「みお」が、現在も飛行を続けています。
こちらの水星到着予定は、少し早くて2025年12月の予定です。
これから10年で、2回の楽しみが有る訳です。
問題はお金
理系のSF好きとしては、こういったイベントには目がありません。
門外漢のお気楽さで考えるのですが、もうチョット探査計画が無いかなと思うのです。
現状のような状況なのは、勿論様々な要因が重なっているわけですが、小さくない理由として挙げられるのはお金の問題でしょう。
「はやぶさ2」は、約160億円、「みお」は約150億円の費用がかかっています。
さすがにこれだけの金額が必要だと、毎年のように打ち上げるという訳にも行かないのかもしれません。
この費用を低くすることが出来れば、もっと探査計画を増やすことが出来るかもしれないという事になります。
費用が掛かるのは
費用が掛かる原因の一つとして、探査機は基本的に、各々の探査計画に合わせて作られる一品ものだという事が有ると考えられます。
そのために、自動車における一品ものと言っていい、F1カーが高価なように、どうしても高くなってしまうようです。
ご存知のように、自動車の世界では、高価なF1に対して、様々な性能、価格の車が存在しています。
この自動車と同じようなことが、宇宙探査でも出来ないかと思うのです。
技術はすでに有る
初代「はやぶさ」で有名になった、イオンエンジンを始めとして、通信技術、ソフトウェア、運用技術などの、長距離の探査を可能とする要素技術は既に存在します。
しかも、今回の「はやぶさ2」の完璧とも言える成果を見ても、その技術の信頼性がある程度高いレベルにあることは確かでしょう。
そこで、自動車でのシャシーの共通化のような事を、探査機の作成でも考えてみてはどうかと思うのです。
長距離の飛行を行う基本的な部分を、運用技術も含めてあらかじめ設計しておき、パッケージとして提供することにします。
エンジンの排気量、気筒数が様々ある様に、イオンエンジンの数や出力もある程度選択できるようにします。
それに合わせて、基本となるフレーム、通信機器その他のベースとなる部分の設計を何種類か作っておきます。
目的とする探査の距離と積載する機器の重さから、エンジンとベースを選択して、後は探査計画の内容に合わせて、積載する機器を、他の探査で使われたものから調達するなり、新たに作るなりして用意すれば、探査機が出来上がるという訳です。
費用が低くなれば
こうすれば、全てを毎回一から作り上げるよりもはるかにコストを下げられるはずです。
更に、ベースとなるパッケージの部分は、数量が出ることによるコストの低減も期待出来ますし、何度も使われることにより枯れた技術になり、信頼性はより高いものになるはずです。
運用技術も、習熟が進むはずです。
また、現在の探査機のように、一品ものでの一発勝負というリスクの高いやり方をしなくも、複数の探査機に機能を分散して送り込むことにより、全くデータが取れないというリスクを下げる事も可能なはずです。
「数打ちゃ当たる方式」です。
これで、毎年のように、驚きの探査結果が送られてくる、なんていう事になりませんかね。
まあ、SF好きとしては、ある日突然UFOに乗せられて、という事が起きないかなと思っているのですが。
ではでは