『日本書紀』創られた日本 19 神代についての話 9です。
スサノオ追放される
神生みの最後に、有名なアマテラスとスサノオが生まれるのですが、その内容が『記紀』で異なり、『日本書紀』の方がより正統性に焦点を合わせた話になっているのではないかと考えました。
実は神生みの最後にはアマテラスとスサノオいギアにも二柱の神が生まれていたのですが、ここではアマテラスとスサノオに絞って話を続けます。
一方のスサノオは、これも『記紀』で話が異なるのですが、最終的に追放を言い渡されてしまいます。
アマテラスに会いに行く
追放されることになってしまったスサノオは、最後にアマテラスに会おうと高天原に登っていきます。
それに対してアマテラスは、スサノオが攻めてきたと勘違いして、完全武装で足が地面にめり込む程に踏みしめ立ちはだかりスサノオに何をしに来たか問い詰めます(岩戸に隠れてしまったりするので勘違いしてしまいがちですが、意外と武闘派なアマテラスです)。
スサノオは、追放される前に話をしに来ただけで、謀反の心などないと答えます。
アマテラスは、「ならばそれをどうやって証明する」と、無いことの証明という若干無理筋な要求をします。
それに対するスサノオの答えが、「誓約(ウケイ)」をするというものでした。
誓約
その「誓約」とは何かということなのですが、いまひとつよくわかりません。
スサノオの言葉を借りるなら、「誓約をして子供を生みましょう」といったことになるのですが、やはりよくわかりません。
とにかく2柱で誓約をおこなうことになります。
アマテラスがスサノオが持っていた剣を受け取り、三つに折り、噛み砕き、吹き出すと、3柱の女神が生まれます。
次に、スサノオがアマテラスの玉飾りを受け取り、噛み砕き、吹き出すと、5柱の男神が生まれます。
するとアマテラスが、5柱の男神は私の玉飾りから生まれたので私の子供、3柱の女神はスサノオの剣から生まれたのでスサノオの子としたのです。
勝ち負け?
誓約は、もともとスサノオに謀反の心が無いことを証明するために行なわれたのでした。
証明されたのでしょうか。
『古事記』では、「わたしの心は清らかで明るいものだから、生まれた子はか弱くやさしい女の子だった。私の勝ちだ」、とスサノオが勝ちを宣言します。
これも良く分かりませんし、いきなり勝ち負けの話になって唐突な感じが強いです。
これに対して『日本書紀』では、最初にスサノオが誓約を提案する時に、男の子が生まれたら清い心だと考えるようにするという条件を示します。
従って、男神を生み出したスサノオに謀反の心が無いことが証明されたという形になります。
男系
スサノオから生まれ、アマテラスに引き取られた5柱の男神の内の「アメノオシホミミ」は、神武天皇の高祖父となります。
つまり、『古事記』では唐突感も有り曖昧となっていたものが、『日本書紀』では男系であることが明確にされたという事が言えそうです。
ここでも、アマテラスとスサノオの誕生に続いて、正統性に焦点が当てられ、さらにそれが男系であることが示されたということなのではないでしょうか。
『古事記』の話を見ると、ひょっとしたら古代には女系であることに意味が有った、ということなのかもしれません。
ではでは