『日本書紀』創られた日本 20 神代についての話 10です。
誓約後のスサノオ
前回は、アマテラスに謀反を疑われたスサノオが、誓約を提案した話でした。
その結果から、『日本書紀』では男系を正統とする意図が有ったのではと考えました。
さて、その誓約の結果により謀反の心がないことを証明したスサノオですが、その後がいけません。
無実が証明された後に、暴れ回るという暴挙にでるのです。
何を考えているのか、全く意味不明です。
その結果が、岩戸の前で女神が踊るシーンでも有名な、天岩戸の話になります。
アマテラスが天岩戸にお隠れになって、世の中が暗闇になり神々も含めて皆困ってしまうお話ですが、『記紀』で大筋に違いは見られません。
無事、アマテラスが再びお出でになった後、その責を咎められ、スサノオは追放されてしまいます。
追放され、出雲に
追放されたスサノオは出雲の地に降ります。
そこでの話が、天岩戸の話と知名度では優劣が付け難い、ヤマタノオロチ退治の話です。
この話も、『記紀』で大きな違いは有りません。
ヤマタノオロチを退治することで、生贄にされるところだった娘を助けます。
その時にオロチから出て来た剣が、後に天皇家に三種の神器として伝わる「草薙の剣」になります。
ちなみに、なぜ「草薙の剣」が天皇家に伝わっているかというと、ヤマタノオロチから出て来たものを、スサノオがアマテラスに献上し、それが「天孫降臨」の際に地上にもたらされたのです。
追放したスサノオからのものを、簡単に受け取っていいのかという気もしますが、そういうことになっています。
さて、スサノオは助けた娘と結婚をし、その子孫が大国主命です。
その大国主命から「国譲り」を受け、その後の「天孫降臨」を経て、神武天皇以降へと繋がるという立て付けになっています。
大和政権は、神の時代から続く国を継承した、正統性のある政権だという事です。
『古事記』にしかない話
以上見てきたように、スサノオから始まる「国譲り」までの話は、『記紀』で大筋は似たものになっています。
しかし、『記紀』で大きく異なる部分も存在します。
それは、スサノオの子孫である大国主命に関するもので、「因幡の白兎」、「大国主の神話」、および「大国主の国づくり」の話です。
『古事記』の神話およそ三分の一は、「出雲神話」なのですが、
『日本書紀』ではほとんど触れられていません。
この違いには何か意味が有るはずです。
次回は、この「出雲神話」について考えて見ます。
ではでは