エクソソームと免疫について考えた話です。
エクソソームの役割
前回まで3回に渡って、人体の臓器間に見られるネットワークについて書いて来ました。
エクソソームは各細胞の代謝産物が入ったごみ袋のようなものであり、その内容物に各臓器が反応する様が、ネットワークのように見えていると考えました。
決して、各臓器がメッセージのやり取りをしているのではなく、結果としてそのように見えているという事です。
今回は、前回までの話の中でも少し触れた、エクソソームと免疫の関係について考えて見ます。
ガンと免疫
前回までの話の中で、メッセージを送っているように見える例として、ガンと免疫の話に触れました。
改めて書きますと、ガンが免疫系の攻撃を受けるのを防ぐために、攻撃対象ではないというメッセージを送って、あたかもだましているというものでした。
そのメッセージを送るのに、エクソソームを使っているというのです。
そうではなくて、ゴミ袋してのエクソソームの中身に、単に免疫系が反応しただけだというのが私の仮説になります。
それが、ガンが免疫系を騙しているように見えるのは、我々がガンを悪いもの、排除されるべきものだと思って見ているからなのです。
ガンは元々持っていた
ゴミ袋の中身に免疫系が反応して攻撃対象でなくなる、などという都合の良い事が起こっているわけです。
これは、ガンがたまたまそんな都合の良い機能を持ったわけでは無く、もともと持っていたのだと考えます。
ガンも、元来我々の体の一部が変化したものであり、その元となるものが持っていた、免疫系に攻撃を受けないための機能が、そのまま残っていたのです。
その機能が、エクソソームを介して発現していたという事なのだと思います。
エクソソームと免疫
以上の話が正しいとすると、免疫系において、攻撃対象か否か、言い換えると自己と非自己を見分けるのに、エクソソームが一役買っているという事になります。
免疫系は、エクソソームの中身で、自己なのか非自己なのかを認識しているという訳です。
そう考えると、免疫異常と言われているものは、2種類に分ける事が出来そうです。
エクソソームの中身を作り出す方の異常と、エクソソームの中身を調べる方の免疫系そのものの異常です。
例えば、潰瘍性大腸炎では、ストレスなどの何らかの原因で、大腸から放出されるエクソソームの中身が異常になり、免疫系が大腸を攻撃対象と認識してしまったためと考えることが出来そうです。
免疫系そのものがおかしくなったのならば、大腸以外の臓器も攻撃されないとおかしいので、大腸側に原因がある筈ですよね。
それに対して、食べ物アレルギーでは、時と場合によって食べ物のほうに何か違いが有る訳では無いので、免疫系そのものに何らかの異常が生じたと考えられそうです。
自分とそれ以外を区別するのが、エクソソームの中身というのが、ゴミ袋の中身で、ある程度個人が特定出来るのと似ているところが、面白いです。
ではでは