素粒子理論と相対性理論の関係から、相対性理論について考えた話です。
神の数式
NHKBSで「神の数式 完全版」という番組を見ました。
素粒子理論の発展の過程をまとめた番組です。
「神の数式」とは、素粒子理論により導出された、理論式を指しています。
この式により、宇宙に有る全ての物質について説明を出来ると考えられていることから、番組の中では、「神の数式」と呼んでいます。
現在までのところ、その理論により予言される最後の粒子である、ヒッグス粒子が2012年に発見され、その理論の確からしさが証明された形に成っています。
ちなみに、ヒッグス粒子の存在を提唱したヒッグス博士は、2013年のノーベル物理学賞を受賞しています。
ここまでが、番組の前半部分となります。
相対性理論との関係
後半部分では、相対性理論との関係から、この「神の数式」の更なる修正の過程が描かれます。
素粒子理論と相対性理論は、別個に発展してきた理論です。
大まかに言うと、物質世界を原子や電子、さらにはそれよりも小さな構造の方から理論化したのが素粒子理論で、星や銀河などの大きな構造の方から理論化したのが、相対性理論という事になるかと思います。
その両者が接点を持ったのが、ブラックホールです。
ブラックホールは、相対性理論から導き出された天体です。
非常に大きな質量を持った星が最後を迎えたときに、その重みにより縮んで行きます。
どんどん縮んでいき、最終的には一点にまで縮んでしまいます。
これがブラックホールです。
一点に膨大な質量が集まるため、重力が非常に大きくなり、光さえも飛び出せなくなってしまうので、黒く見える(見えない?)のでブラックホールという訳です。
ところで、一点に集まるという事は、全ての物質の間の距離が無くなるという事です。
そうすると、引力は距離の二乗に反比例する訳ですから、その点での引力は、0の二乗で除することになり、無限大になってしまいます。
まあ、ありていに言えば、よくわからないという事です。
無限個の無限大
そこで、一点と言う極小の話なのだから、小さな構造の方から理論化された、素粒子理論を組み合わせれば、説明できるんじゃないかと考えられました。
しかし、計算を行ってみると、やはり無限大が、それも無限個の無限大が出て来るという結果になってしまいました。
その後、色々な試みがなされ、一つの理論が考え出されます。
簡単に言うと、一点に集まると考えると無限大が出て来るのだから、一点に集まらないとすればいいという訳です。
具体的には、ひもの輪のようなものを考えます。
これを「超弦理論」と言います。
その後、その他の不都合を説明するために、紐で出来た膜と考えるべきだとか、云々、現状の到達点が示されて番組は終わります。
説明できないのは相対性理論
ここまで読んでチョット変だなという気がしませんでしたか。
もともと、ブラックホールは、相対性理論から導き出されたものでした。
その最後の状態を説明出来なかったのも相対性理論でした。
さらに、相対性理論に関しては、以前の記事で書いたように、他にも説明できない観測結果が出て来ています。
つまり、現実との間に齟齬が生じているのは、素粒子理論ではなく、相対性理論という事になります。
であるならば、新たな理論や一部修正を考えるのは、素粒子理論ではなく相対性理論ではないかと思うんですよね。
やはり、早く出てこい、21世紀のアインシュタインでしょうか。
ではでは