ストラディバリウスらしきものを作れないかな、という話です
ストラディバリウスの秘法
ストラディバリウスに関しては、前回の記事で少々ディスってしまったのですが、300年以上の歴史が有る訳で、音楽センスが無いながらも、何かあるはずだとは思っているんですけどね。
例えば、ストラディバリウスの音色を生み出す秘法に関しては、塗られているニス、木材の前処理等、様々に言われています。
本当にそんなものが有ったのでしょうか。
しばしば、ヴァイオリンの3大名器として、アマティ、ガルネリ、そしてストラディバリウスが上げられるようですが、実はその作者たちは、ガルネリとストラディバリが、アマティの弟子という関係にあります。
こう見ると、師匠から弟子に引き継がれる、名器を作る秘法が有るように思えます。
が、そんな秘法が有るとして、二人の弟子も名器を作っているので、北斗神拳のように一子相伝ではないようです。
であるならば、その秘孔秘法が途絶えてしまうとは考えにくいですよね。
その後も、名器が出ているはずです。
ストラディバリウスの秘密
こんな研究があるようです。
CTスキャナーでストラディバリウスを調べたら、使われている木材の密度が非常に均一であったというのです。
その理由として、製作された当時が、小氷期の只中で、気温が一年中比較的低温で、木の成長速度が、一年を通じてあまり違わなかったからではないかと、考えられているようです。
普通、夏と冬の成長速度の違いが、密度ひいては色調の違いになり、それを年輪と呼んでいるのですが、その成長速度が比較的一定だったという訳です。
つまり、三大名器には秘法など無く、使った材料が、今では手に入らない(小氷期どころか温暖化ですからね)性状を持ったものだったから、名器たり得たという訳です。
もっとも、その時期に、名工が居合わせたという偶然もある訳ですけど。
ストラディバリウスを目指して
現代では手に入らないとしたら、人工的に、均質な木質材料を作ってしまうというのはどうでしょう。
セルロースナノファイバー(CNF)というものが有ります。
簡単に言うと、材木から作られ、紙の原料にもなる、セルロースを非常に細かくしたものです。
これの利用法の一つとして、色々なプラスチックに混ぜて、様々な機能のものを作る研究が行われています。
これを転用して、ストラディバリウスと同じ密度を持った材料を作成し、それでヴァイオリンを作成するのです。
プラスチックでいいのかと言われそうですが、元々、木というものも、極乱暴な言い方をすれば、セルロースを、リグニンという天然のプラスチックのようなもので固めたものとも言えるので、それほど掛け離れている訳ではないと思います。
もしこの方法で、それなりの音色が出せれば、プラスチックな訳ですから、金型を使った成型による生産も、原理的には可能なはずで、ヴァイオリンが、リコーダーやピアニカのように身近なものになると思うのですが。
CNFの研究をしている研究者の方、やってみませんか。
目指すは、もちろん、クレモナのコンクールです。
ではでは